1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07630127
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳賀 芳弘 九州大学, 経済学部, 助教授 (70163970)
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Keywords | 負債 / 負債と資本の区別 / 資産・負債アプローチ / 収益・費用アプローチ / 未履行契約 / 現在割引価値 / 認識と測定 / 会計基準の国際的調和 |
Research Abstract |
科学研究費の援助を受けた期間の研究によって、負債会計の問題を以下のように整理することができた。詳しくは添付の報告書を参照せよ。 まず、負債の認識(負債として認識されるべきものは何か)は、(1)負債と資本の区分をどのように行うか、および(2)未履行契約の責務を負債として認識するかどうか(さらに、どの種の未履行契約の責務を認識するか)、という2つの異なる問題への解答に関わっているということである。結論的に言えば、(1)は、R/Eアプローチ(損益計算書中心)とA/Lアプローチ(貸借対照表中心)のいずれに基づいて、負債を考えるかということであり、具体的には、R/Eアプローチにおける負債と収益との関係(期間損益計算に算入されない貸方項目→負債)とA/Lアプローチにおける負債と資本との関係(負債が先に規定される→資本概念が不明確化する、資本が先に規定される→負債槻念が不明確化する)の問題である。一方、(2)は、これまで認識の対象とはなっていなかった様々な未履行契約がある中で、どのような条件を有する未履行契約の責務を負債として認識するかという問題である(条件を緩めれば、負債として認識されるものが拡張されていく)。未履行契約の責務は、決済の相手・決済金額・決済日時の確定しているものばかりでなく、決済金額・日時の確定していないものもあり、当該問題は認識対象の画定に止まらず、複雑な測定問題も生じさせる。 次いで、負債の測定は、多くの場合に契約価額が存在するため、問題とならないが、企業をリスクによって評価するという視点の普及から、負債の時間価値(割引現在価値)が注目されてきている。この場合に、割引利子率として何が選択されるかという問題が生ずる。また、決済金額の確定していない未履行契約の責務の測定(例えば、受給権の発生していない従業員に対する予想支払額)には複雑な予測計算が必要となる。
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[Publications] 徳賀芳弘: "負債" 税経セミナー. (1997)
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[Publications] 徳賀芳弘: "利益数値の国際比較方法-会計制度の定量的比較を中心として-" 會計. 第150巻第6号. 66-81 (1996)
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[Publications] 徳賀芳弘: "会計の国際的調和の測定方法" 佐賀大学経済論集. 第3・4合併号. 205-226 (1996)
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[Publications] 徳賀芳弘: "会計制度・会計実務の国際比較方法試論" 経済学研究. 第62巻1-6合併号. 295-305 (1996)
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[Publications] 徳賀芳弘: "会計データのクロスボーダー調整論" 産業経理. 第55巻第4号. 48-57 (1996)
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[Publications] 徳賀芳弘: "会計の国際比較方法試論" JICPAジャーナル. 第8巻第1号. 76-77 (1996)