1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640131
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
加須栄 篤 大阪市立大学, 理学部, 教授 (40152657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅芝 秀人 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (70175165)
兼田 正治 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60204575)
津島 行男 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80047240)
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Keywords | リーマン多様体 / 熱核 / スペクトル収束 / 対称マルコフ半群 / ガンマ収束 / 正則ディリクレ空間 |
Research Abstract |
コンパクトな可微分多様体を一つ固定して、その上のリーマン計量とウエイトの対の集合上に、それらから決まる熱核を使って、距離・熱核距離・を新しく導入した。スペクトルの収束、レゾルベントの収束、エネルギー形式の収束などの観点に立って、いくつかの基本的性質を明らかにするとともに、具体的応用例を多く与えた。まず、この距離空間の完備化を考察し、対称マルコフ半群を与える推移確率密度が現れることを示した。次に全有界であるための自然で緩やかな条件を与えた。さらにこの距離の極限を解析的により精密に調べるために、いわゆるガンマ収束の理論を拡張した形で用いた。これによって、極限を解析する方法が得られ、新たな展開を持つことになった。実際極限として現れるマルコフ半群は強連続性を持つとは限らない。強連続性の成立しない場合、いわゆる退化計量の族のスペクトル収束を表しており、これまでのリーマン多様体の崩壊理論ペクトとスルの研究を統一的に、またより一般的に扱うことに成功した。つまりスペクトル埋め込みの方法を用いて、極限にあらわれるマルコフ半群を正則ディリクレ空間として表現できることを示し、この表現が、特別なものとして、リーマン多様体の、距離空間の立場からの崩壊理論を含むことを明らかにした。これらの考察は、今後の新たな幾何学的および解析的視点からの多様体の収束理論の構築に有益であると期待している。それから幾何に現れるバブル現象を示す典型的なモデルを、スペクトル収束の立場からより精密に考察した。これはより一般に測度がポイント測度を含むものに弱収束するときのスペクトル収束のモデルを与え、今後の研究に繋がると期待してい。さらに局所性を持たない過程に収束するリーマン多様体の列を始めて提出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Atsushi Kasue: "Harmonic functions of polynomial growth on complete manifolds,II" J.Math.Soc.Japan. 47. 37-65 (1995)
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[Publications] Atsushi Kasue: "Convergence of Riemannian manifolds and Albanese tori" Osaka J.Math.32. 677-688 (1995)
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[Publications] Atsushi Kasue: "Spectral convergence of Riemannian manifolds,II" Tohoku Math.J.48. 71-120 (1996)
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[Publications] Yukio Tsushima: "Notes on trivial source modules" Osaka J.Math.32. 475-482 (1995)
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[Publications] Masaharu Kaneda: "The Frobenius morphism of flag schemes" J.Alg.174. 473-488 (1995)