1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640315
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中木 達幸 広島大学, 理学部, 助教授 (50172284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 隆則 福岡大学大学, 教育学部, 助教授 (00162313)
藤間 昌一 広島大学, 理学部, 助手 (00209082)
小川 知之 広島大学, 理学部, 講師 (80211811)
坂元 国望 広島大学, 理学部, 講師 (40243547)
田端 正久 広島大学, 理学部, 教授 (30093272)
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Keywords | 自由境界問題 / 非線型偏微分方程式 / 差分法 / 多孔質媒体流 / 密度依存型拡散 / 台の分離問題 / porous medium equation / oil-reservoir problems |
Research Abstract |
次の2つの自由境界問題について、数値解析の立場から、次の研究を行なった。 1.多孔質媒体中を流れる2つの互いに混じり合わない流体には、それらの流体の間に自由境界が発生する。1次元問題の解を用いて、2次元問題での平面波解を構成して、その界面の安定性を検証した。そのために、いろいろな波長の摂動を加え、その摂動の時間発展を数値実験により調べた。界面張力を無視するときは、短い波長の摂動ほど速く成長するとの結果がすでに知られている。本研究の目的は、界面張力の効果がある場合である。その結果、短い波長の摂動は消滅し、適当な長さの波長をもつ摂動が成長することが判明した。今後の課題として、界面張力の大きさと最も成長する摂動の波長の関係の調査、平面波解の代わりに同心円状の解を用いたときの自由境界の安定性の検討があげられる。 蒸発による損失を伴う退化型密度依存の拡散をする流体の問題には、流体の存在範囲を表す自由境界が現れる。初期の流体の分布によっては、ある時刻で新たな自由境界が現れる、すなわち、流体の存在範囲が分離することがある。空間1次元問題について、このような現象が現れるための十分条件を差分解の性質を用いて導出し、その条件の有効性を数値実験により検証した。その結果、我々の条件は比較的強いものであることが判明した。すなわち、条件が成立しなくても、分離現象が起こることが多いと思われる。したがって、一層の条件の緩和の研究が望まれる。また、空間2次元問題の解で対称性をもつものに対しても、分離問題の数値実験を試みたが、理論的な結果は、今後の課題として残された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T. Nakaki and K. Tomoeda: "Numerical approximations to some nonlinear diffusion equation with strong absorption" Proc. of The 4th International Colloquium on Numerical Analysis. (掲載予定). (1995)
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[Publications] K. Tomoeda and T. Nakaki: "The possibility of a support splitting cauesd by the absorption in some nonlinear diffusion equations" 日露合同セミナー会議録(仮称). (掲載予定). (1996)
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[Publications] T. Nakaki: "On numerical computations to the oil-reservoir problems in two-dimensional rectangular regions" Proc. of the 4th MSJ International Research Institute on Nonlinear Waves. (掲載予定). (1996)