1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640346
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野口 正史 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20241515)
|
Keywords | 銀河 / 星間ガス / 恒星系力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、星間ガスの豊富な銀河の力学進化や潮汐応答を数値シミュレーションによって調べ、形成されて間もない初期銀河の進化を解明することである。特に、星間ガスの重力的影響が銀河の非軸対称構造の発見や、活動現象の誘起にどのような役割を果たすのかを調べるのが主眼である。平成7年度は研究計画の基本となる銀河進化の重力N体計算コードを作成した。銀河は恒星系と星間ガスから構成されるものとしそれぞれの自己重力と星形成課程を組み込んだ。当初の計画にあった星間ガスのモデリングをSmooth Particle Hydrodynamics (SPH)によって行う部分については、SPHそのものについて予備的な試験研究が必要であることが判明した。したがってより簡便な方法として星間ガス雲を非弾性衝突によってモデリングするSticky Particle法を使用することにした。これは、星間ガスの振る舞いの本質的特徴を考慮した銀河モデルを作成するという当初の目的を損なうものではなく、将来SPHによるシミュレーションが可能になった際に、そのレファレンスモデルとしても役立つものである。作成したシミュレーションコードを既存のワークステーション上で動かし、従来の数値研究の結果と比較することによって、アルゴリズムのチェックを完了した。またこれと平行して、今後計算の主力となる多体計算加速装置GRAPE(ロジックハウス社製LH8000)をホストワークステーション及び周辺機器の購入を行った。今後、多体計算加速装置上で数値コードをインストールし、本格的なシミュレーションを開始する予定である。
|