1995 Fiscal Year Annual Research Report
2次元フォッカー・プランク方程式を用いた球状星団の進化の研究
Project/Area Number |
07640355
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲垣 省五 京都大学, 大学院・理学研究所, 教授 (80115790)
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Keywords | 恒星系力学 / フォッカー・プランク方程式 / 球状星団 / 自己相似解 |
Research Abstract |
今年度は、2次元フォッカー・プランク方程式を用いた球状星団の進化の研究をする予定であったが、1次元でも面白い問題がみつかったのでそれをした。 Giersz & Heggie(1996)は、N体問題で、いろんな質量の星がある場合の球状星団の進化を調べ、自己相似なポスト・コラプス膨張をすることを見い出した。いろんな質量の星がある場合、自己相似な進化をする理由が無いので、これは非常に面白い発見である。しかしながら、N体問題では、数千個以上の星系の進化は追えないので、1次元フォッカー・プランク方程式を解き、この性質は星の数の増加とともにどう変わるか、見ることにした。 結果は、現実的な星の質量構成では、百万個以下では、gravothermal oscillationsがおこらず、進化は自己相似的であることがわかった。百万個以上では、gravothermal oscillationsが起こり、進化は自己相似的ではない。 自己相似的な進化と、エネルギーの等分配の関係を見るために、2成分系で等分配を起こす場合と起きない場合の両方の進化を追ってみたが、等分配を起こす系では、自己相似的に進化し、等分配を起こさない場合は、自己相似的に進化しないことがわかった。しかしながらまだ、現実的な星の質量構成で、なぜ、postcollapse evolutionをするか分からない。 この他には、小西・金子系の進化をボルツマン方程式で書いたときの衝突項を求めた。小西・金子系は1次元のリング状の系で、粒子間には引力が働く。この系は3次元自己重力系よりも単純であるにも関わらず、自己重力系と似た性質を持っているので、その性質をいろいろ調べることは有用である。衝突項を求めた結果、通常のBalescu-Lenard型のものが得られた。
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