1995 Fiscal Year Annual Research Report
東大物性研SOR-RINGにおけるビーム結合インピーダンスの測定
Project/Area Number |
07640382
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小関 忠 東京大学, 物性研究所, 助手 (70225449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 宏之 東京大学, 物性研究所, 助手 (80251487)
神谷 幸秀 東京大学, 物性研究所, 教授 (20132681)
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Keywords | 電子蓄積リング / バンチ結合型ビーム不安定性 / ビーム結合インピーダンス / 同軸ワイヤー法 / 損失パラメーター / ブロードバンド・インピーダンス |
Research Abstract |
東大物性研・SOR-RINGでは、ビーム電流が数mA以上になるとバンチ結合型ビーム不安定性による激しい縦方向ビーム振動が常時観測されている。本研究の目的は、SOR-RINGのビーム結合インピーダンスをリングを構成する全ての真空チェンバーについて測定し、ビーム不安定性の原因を同定すると共に不安定性抑制の可能性を探ることである。95年夏期の運転停止期間中に、全ての真空チェンバーについて、同軸ワイヤー法によるインピーダンス測定を実施した。測定によると、比較的大きなインピーダンスを持つ共鳴モードは、RF空洞以外の真空チェンバーにもいくつか存在する。(ただし現在は、不安定性の原因となるモードを完全に同定するには至っていない。)また、ビーム・スクレーパ-を装着したS7直線部チェンバーにおいては、インピーダンスが大きく(〜10^2KΩ)スクレーパ-の位置によって周波数が大きく変化する(0.84-1.14GHz)共鳴モードの存在が確認された。実際、このスクレーパ-の位置は縦方向不安定性の振る舞いに大きく影響しており、ビームを用いたスタディでは、共鳴周波数が850MHz付近になる位置にスクレーパ-を設定すると150mA以上のビーム電流においても不安定性が完全に抑制されることがわかった。このことは、この共鳴モードが850MHz付近になると不安定性をダンプする方向に作用することを示唆している。なお、スクレーパ-を上の位置に固定したままでリングの運転を行ったところ、4時間に亘って不安定性は全く生じなかった。今後はMAFIAを用いて各チェンバーのインピーダンスの計算を進め、測定との比較を行いながら不安定性の原因となるモードの同定を行う。また、全ての真空チェンバーについて損失パラメーターのバンチ長依存性の測定も行ったので、その結果からリングの実効的なインピーダンスを求めていく予定。
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Research Products
(1 results)