1995 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下電子輸送現象測定による低次元伝導体の次元性の検討
Project/Area Number |
07640439
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小矢野 幹夫 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (60195873)
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Keywords | 低次元伝導体 / 結晶構造 / 電気伝導の次元性 / フェルミ面 / 電子輸送現象 / 高圧測定 / 応力 |
Research Abstract |
低次元伝導体における輸送係数(電気抵抗・ホール効果および熱電能)の圧力および応力変化を測定する事により、電気伝導の次元性を検討する事を目的として、初年度は、主に単結晶育成条件の確立と、加圧装置の開発を行った。 1.1100℃チューブ炉を用いた化学気相法による、低次元伝導体単結晶(三硫化チタンやモリブデン酸化物)の最適育成条件を確立した。特に低次元半導体三硫化チタンの場合、原材料を真空封入したアンプルを、低温側480℃、高温側520℃に保った時、最も良質の単結晶が得られることが明らかとなった。 2.静水圧と応力の効果の差を明確に観測する必要から、静水圧印加装置をピストン‐シリンダー型からダイヤモンドアンビル型セルに変更した。さらにダイヤモンドアンビルの自作を試みたが、充分なアンビル平行度を満足するだけの寸法精度が実現出来なかったため、最大圧力70kbarを実現するようキュロット径・材質などを検討した上、ダイヤモンドアンビルセルを購入した。これを用いてセルを顕微鏡下で加圧できる装置を開発し、静水圧および横軸応力印加装置に改造した。 3.ダイヤモンドアンビルで加圧中に、電気的測定用のリ-ド線(全線φ50μm)と、金属ガスケットがショートするトラブルが発生した。現在これを克服するため、各種絶縁体複合材料をガスケットの材質として検討している。この問題が解決すれば、ダイヤモンドアンビル型セルでの電気的測定の簡便性が飛躍的に向上し、高圧物性測定技術へ貢献するものと期待される。 次年度以降は、これらの成果を元に輸送係数(電気抵抗・ホール効果および熱電能)の圧力および応力変化を測定し、低次元伝導体の電気伝導の次元性に関する情報を得る。
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