1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640465
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 建次 富山大学, 教育学部, 教授 (40111736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市瀬 和義 富山大学, 教育学部, 助教授 (20242472)
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Keywords | 核磁気共鳴 / 核スピン緩和 / 超微細相互作用 / 希土類金属間化合物 |
Research Abstract |
Pr元素を含む化合物とその関連物質として、本年度はPr_XGd_<1-X>Ni,Sm_XGd_<1-X>Niを中心にこれらの化合物中の^<141>Pr核,^<147>Sm核のNMR測定を4.2Kと1.4Kにおいて行った。また、PrCo_5、Pr_2Fe_<14>B中の^<141>Pr核のスピン・スピン緩和時間の測定も行った。 1.NMRスペクトル アルゴンアーク溶解炉で作製した試料について、^<141>Prでは2700MHzから3800MHzの範囲で、^<147>Smについては550〜610MHzの範囲でNMRスペクトルを観測した。これらの化合物中でPrとSmの磁気モーメントはそれぞれ2.60μ_Bと求められ、これらは各自由イオン値の81%と96%である。Smの磁気モーメントは磁化測定で求められていた値よりはるかに大きく、自由イオン値に近い値である。このことはSmNiの磁気構造がnon-collinearになっており、見かけ上磁気モーメントが小さくなっていると考えられる。 2.核スピン・スピン緩和 Pr_XGd_<1-X>Ni(X=0.2,0.5)中の^<141>Prと、Sm_XGd_<1-X>Ni(x=0.2,0.5)中の^<147>Smについて1.4Kと4.2Kで、それぞれのスペクトルのピークの位置で測定した。いずれの場合もスピンエコー信号の減衰は単一指数関数で表される。1.4Kでの結果は^<141>Prで〜3μsec、一方、^<147>Smでは〜110μsecと^<141>Prに比べて約30倍も長い。濃度の違いについて、特に大きな違いはなかった。PrCo_5については、同じく1.4Kで3.5μsecと同じ程度の値である。Pr_<0.2>Gd_<0.8>NiとPrCo_5の磁気秩序転移点Tcはそれぞれ〜60、〜920Kと大きくなるがT_2は同程度であり、Tcの違いによらず、T_2が短くなっている。 3.まとめ (1)^<141>Prの核スピン・スピン緩和時間は他の核のものに比べて非常に短い。 (2)SmNi中のSmの磁気モーメントは自由イオン値に近くSmNiの磁気構造はnon-collinearな構造であると考えられる。
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