1996 Fiscal Year Annual Research Report
強い電子相間のある物質における第一原理電子構造計算
Project/Area Number |
07640507
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 毅夫 東京大学, 工学系研究科, 教授 (90011113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 健夫 東京大学, 工学部・工学系研究科, 教務職員 (80272384)
山元 進 東京大学, 工学系研究科, 助手 (30262041)
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Keywords | 密度汎関数理論の拡張 / 自己相互作用補正 / 第一原理分子動力学 |
Research Abstract |
近年多くの興味ある物質が発見あるいは人工的に作られている。それら物質の物性の電子構造の第一原理的な理解を得ることを目的に、(1)密度汎関数理論の枠内での計算の精緻化、(2)密度汎関数理論の拡張、(3)第一原理分子動力学法の整備とオーダーN法の展開、(4)量子モンテカルロ法の適用、を行った。本研究は計画の2年間ではおおむね方法論的研究が中心となり、得られた結果は以下のとうりである。 (1)局所密度近似に基づいた電子構造を得、それからKubo-Greenwoodの式を用いて伝導度を計算する方法を確立した。これを準結晶に適用し、その異常な電気伝導の起源が電子波動関数の空間的広がりの異常性にあることを示した。(2)LMTO法の中で自己相互作用補正(LSD-SIC)の方法を発展させて、遷移金属酸化物の電子構造を満足がいくかたちで記述することができるようにした。さらにまたLMTO法を広いエネルギー範囲で行うことができるように拡張(Multiple LMTO法)しGW近似(動的遮蔽効果を取り入れた最低次の近似)での定式化を行った。現在これによる計算を継続中である。(3)第一原理分子動力学法に関しては、ultrasoft擬ポテンシャルの最適化をはかり、実空間差分を用いる方法を開発するとともに、オーダーN法の開発に着手した。(4)量子変分モンテカルロ法を擬ポテンシャルのもとで可能にし、簡単な分子系での具体的な計算が可能になった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Arai and T.Fujiwara: "Electronic Structures of Transition-Metal mono-Oxides in the Self-Interaction Corrected Local Spin Density Approximation" Physical Review B. Vol.51,No.3,. 1477-89 (1995)
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[Publications] T.Hoshi,M.Arai,T.Fujiwara: "Density functional molecular dynamics with real-space finite difference" Physical Review B. Vol.52,No.8,. R5459-62 (1995)
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[Publications] S.Kobayashi,M.Arai and T.Fujiwara: "Role of Canonical Orbital of Self-Interaction Corrected Local Spin Density Approximation in Doped System" Physical Review B. Vol.52,No.19,. 13718-21 (1995)
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[Publications] T.Fujiwara,T.Mitsui and S.Yamamoto: "Scaling properties of wave functions and transport coefficients in quasicrystals" Physical Review B. Vol.53,No.6,. R2910-2913 (1996)
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[Publications] S.Kobayashi and T.Fujiwara: "Multiple LMTO Method and Down-Folding" Physical Review B.
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[Publications] T.Fujiwara and T.Hoshi: "Optimized Ultrasoft Pseudopotentials" Journal of Physical Society of Japan.