1996 Fiscal Year Annual Research Report
海洋風成循環中の衝撃波と亜熱帯前線に関する理論的・数値的研究
Project/Area Number |
07640567
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保川 厚 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00178039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 謙介 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (00107450)
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Keywords | 海洋循環 / 亜熱帯反流 / 海洋大循環モデル / Ventilated thermoclineモデル / 亜熱帯前線 |
Research Abstract |
理想化された条件下で海面風応力と南北加熱差を与えて数値海洋大循環モデルを走らせ、数値モデル内で亜熱帯反流を作った。その結果を解析することにより以下の事柄が判った。 1.数値モデル内での(海面冷却に伴う対流による)混合層は亜熱帯循環北部で急激に深くなる。この混合層深が急激に変わる場所(混合層フロントとここでは呼ぶ)は西では南に、そして東へ行くにしたがって北にずれる。 2.この混合層フロントと海面等密度面の交点近傍で低渦位の水が形成され、亜表層にsubductされる。したがって、重い密度面ほど東の方に低渦位の水が存在することになる。 3.この低渦位水は亜表層で南西に流されるにしたがって徐々に集まり、縦に積み重なり、厚い低渦位水のプールを亜熱帯循環西部に形成する。 4.この分厚い低渦位水のプールは、海洋表層の密度面を押し上げ、低渦位水のプールの南東端に沿う亜熱帯反流を作る。 この数値実験によって示唆された機構は、もし正しければ、より単純なventilated thermocline理論モデルによっても再現されるはずである。そこで、多層ventilated thermoclineモデルを作成した。混合層深を数値実験結果に似せることによって、同様の機構により亜熱帯反流が生じること、また、混合層フロントを北西から南西に傾けると1Dewar (1992)と似た機構による反中が現れること、さらに、基礎方程式より、低渦位領域は南に行くにしたがって、西側に突っ立ち、衝撃波を形成する可能性があること等が明らかになった。 これらの研究より、少なくとも数値モデルの中での亜熱帯反流の成因は、混合層の深さ分布が何故そのようにあるかという点を除けば、ほぼ解明されたと考えられる。
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Research Products
(1 results)