1996 Fiscal Year Annual Research Report
大陸棚縁辺部における境界混合と陸棚水の黒潮中層への貫入に関する研究
Project/Area Number |
07640576
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Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松野 健 長崎大学, 水産学部, 教授 (10209588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金成 誠一 北海道大学大学院, 理学研究科, 教授 (70027233)
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Keywords | 鉛直混合 / 水平貫入 / 濁度 / 陸棚縁辺域 / 係留系 |
Research Abstract |
1995年11月に東シナ海陸棚縁辺部で実施したCTDおよび濁度計による観測より、陸棚斜面を横切る鉛直断面において、底層付近で高濁度水が、またそれより若干上の層において相対的にやや高濁度の水が分布していることが認められた。後者の高濁度水は、等密度面に沿って陸棚端から沖合に貫入していることを示唆する形状を示した。また1996年11月には水平的に測定間隔を短くした観測を行い、中層に低塩分水が沖合に向かって貫入する形状を詳細にとらえた。これは同時に沖合の高塩分水が陸棚の方に貫入していると見ることもできる。95年と96年の結果は必ずしも同様の現象をとらえたものではなく、前者は陸棚端付近の海底直上水が沖に輸送される過程を、また後者は表層近くの低塩分水が黒潮中層に貫入する過程をとらえたものと考えられる。後者の場合は貫入層では濁度にほとんど変化が見られなかった。 一方、係留系では、様々なスケールの内部波が観測された。95年には、観測期間も2日程度と短く、鉛直的にも海底上60mと120m(水深250m)の2層のみのデータであったが、明らかに内部潮汐と思われる半日周期の変動のほかに、30分から10分程度の時間スケールを持った内部波が認められた。この短い時間スケールを持った内部波は比較的長時間持続している場合もあり、92年の観測でみられたように内部波と乱れが同時に起こっているような様子はあまり認められなかった。しかし、内部波が頻繁に起こっていることから、このような内部波の砕波による密度構造の変化が、上述のような高濁度水の貫入を生じさせている可能性が十分考えられる。
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[Publications] T.MATSUNO,T.HIBIYA,S.KANARI and C.KOBAYASHI: "Small Scale Internal Waves and Turbulent Fluctuations near the Continental Shelf Break in the East China Sea" Journal of Oceanography. 53(in press). (1997)
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[Publications] T.MATSUNO,S.YANAO and S.OHSAKI: "Intrusion of the Shelf Water into the Kuroshio in the East China Sea" Proceedings of CREAMS(Circulation Research of the East Asian Marginal Seas). (in press). (1997)