1996 Fiscal Year Annual Research Report
回流水槽における流れと風の間の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
07640580
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
水野 信二郎 広島工業大学, 工学部, 教授 (80033835)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
埜口 英昭 中国工業技術研究所, 海洋環境制御部, 研究室長
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Keywords | 風と流れ / 風洞水槽実験 / Langmuir循環流 / 大気・海洋相互作用 |
Research Abstract |
水面付近でおこる大気・海洋間の相互作用よりも水面下の流れの向き、(即ち、風と流れの向きが同じか逆か)が風の持つ運動量を開水路内部流へ変換する効率に大きく影響すると言う実験事実が得られた。本研究では、 (1)風と流れの向きが同一方向の場合、(風+順流) (2)風のみのケース、(風のみ) (3)風が流れの向きと逆行する場合、(風+逆流) の3ケースにおいて水面下の平均流速の3成分に関する、風に垂直な鉛直断面分布の詳細な計測を実施し、これら3ケースについて、風から開水路内部流への運動量輸送効率は、(1):(2):(3)のケース=9:4:2と定量的に得られ、逆流下よりも順流下において風から流れへ運動量輸送が効率的に起こる事が明白となった。次に、その原因を逆流下と順流下における鉛直循環流の発生と関連して実験を進めた。鉛直循環流が風と流れの相互作用にどの様に関わるか、現在まで殆どこの種の研究がないので興味深いと思われる。一見、逆流下では水面付近で風波は砕波し強い流速シア-が存在するため、風と流れの間の相互作用は大きいと考えられる。予想に反して、逆流下では風の運動量は流れに入り難いのである。何故か?その理由は、水路中央部でかなり強い上昇流が発生するため、乱流運動は側壁に向かい、側壁に沿って下降する。その結果、水面付近の乱流運動の下向きの移流拡散が上昇流によってブロックされる為である。他方、順流下では水面付近の乱流変動は逆流の場合に比べてかなり弱いにも関わらず、水面からの乱流の移流・拡散は殆ど自由に起こる。この差が流れの向きの違いによって発生し、風の運動量を流れに伝えるか否かに強く影響する為である。
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Research Products
(2 results)