1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640587
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中村 るみ 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (90252296)
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Keywords | 磁気圏構造 / 磁気嵐 / 磁気圏磁場 / 降下粒子 / 高エネルギー粒子 / 磁気圏境界面 / 磁気圏尾部 |
Research Abstract |
1.磁気圏擾乱時の磁気圏遠尾部構造の変動 GEOTAIL衛星の遠尾部磁場、粒子データを解析することで、磁気圏擾乱に伴う磁気圏構造の変動を調べた。磁気擾乱時、特に磁気嵐時には、太陽風の圧縮や変動と、磁気圏磁場と惑星空間磁場との再結合の効果で、磁気圏のスケール及び磁気圏尾部が伸びている方向が平均構造から著しく異なっていた。磁気圏の境界を観測した例から、磁気圏のサイズを求めた結果、再結合によるフラックス変動が効く場合、圧縮が効く場合それぞれ、半径は通常の30パーセント近く変動することがわかった。磁気圏境界面の観測を中心に尾部の形状と太陽風のプラズマ流との関係を議論した論文が現在印刷中である。また磁気嵐に伴う磁気圏スケール、フラックス、圧力の変動から、磁気圏尾部に蓄積されるエネルギーを求めた論文が現在投稿準備中である。 2.磁気圏擾乱時の磁気圏内でのエネルギー分配と内部磁気圏粒子加速 地上、極軌道、制止軌道、磁気圏尾部の同時観測が行われた磁気嵐の例について、内部磁気圏の粒子フラックス、環電流、磁気フラックス、太陽嵐からのエネルギーの変動を磁気嵐の各相について調べた。磁気圏尾部では、磁気嵐の主相開始直前までに、10^<16>J以上のエネルギーが蓄えられ、主相の開始に伴い、この蓄えられたエネルギーの開放と太陽風中から直接入ってくるエネルギーの増加がほぼ同時に起こるるため、通常考えられるの磁気圏擾乱時の約10倍のエネルギーが、短時間で消費される必要があることを示唆した論文を現在投稿準備中である。また内部磁気圏では、磁気嵐に伴い高エネルギー粒子の強い加速と共に降下粒子変動が見られる。高エネルギー降下粒子の変動は、波との相互作用によるもの及び磁気圏の大規模構造の変動に伴う動径方向の加速によるものとがあることを記した論文が発表予定中である。
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[Publications] Rumi Nakamura: "Observations of the magnetosheath near the nominal tail axis during the geomagnetic storm of January 25,1993." J.Geomag.Geoelectr.(発表予定). (1996)
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[Publications] Rumi Nakamura: "Relativistic electron precipitation near the outer boundary of the radiation belt (extended abstract)" Proc.NIPR Symp.Upper Atmos.Phys.9(発表予定). (1996)