1995 Fiscal Year Annual Research Report
磁気授嵐発達過程とその機構に関する研究-特に非軸対称擾乱磁場の解析
Project/Area Number |
07640592
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 豊永 京都大学, 理学部, 助手 (10233967)
|
Keywords | 磁気嵐 / 赤道環電流 / 太陽風・地球磁気圏エネルギー結合 / サブストーム / 地球磁気圏擾乱 / リングカレント |
Research Abstract |
磁気嵐時における磁気圏赤道環電流の形成とサブストームとの関係は、太陽風・地球磁気圏エネルギー結合についての未解決課題の一つである。本研究では3つのパラメータ:赤道環電流の強度を示すDst指数-地磁気軸に関して軸対象な擾乱磁場成分、非軸対象の成分、サブストームの強度を示すAE指数を統計的に比較した。その結果、非軸対称擾乱磁場の24時間成分A1の振幅の最大値と、それに対応するDstの絶対値の最大値との比は、平均して0.55に達し、前者は後者より0〜5時間位選考することがわかった。また、A1の発達減衰の過程は、サブストームのそれとは必ずしも一致していないことが明らかになった。これらの結果は、赤道循環電流の発達の過程で、非軸対称成分-partial ring current-の形成が重要な役割を果していること、そしてこの成分には、サブストームとは関係なく、太陽風と磁気圏との直接の相互作用による部分があることを示唆する。また、A1はスパイク的に鋭いピークを示すことがあり(例:1991年3月、1996年2月の磁気嵐)、そのような際には、新しい放射線帯が形成され数カ月も存続したことが観測されている。これらのA1成分の位相を求めると、最大の磁場減少が正午付近にあり、サブストームと密接な関係をもつA1の位相と全く異なる。現段階においては、上のようなスパイク的なピークをもつA1の発達は、惑星間空間磁場が南向きのとき、コンベクション電場が低緯度(L=2〜3Reあるいはそれ以下)まで浸透することがあることによると解釈し、上記の異常位相は、赤道環電流を構成する粒子の電場遮蔽効果に関連する電流系(沿磁力線電流を含む)のねじれによるものと考える。この仮説は将来観測とシミュレーションにより確かめる必要がある。J. Geophys. Res.に投稿予定の論文を執筆中である。
|