1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640594
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 慎 千葉大学, 理学部, 助教授 (10201930)
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Keywords | コンターライト / タ-ビダイト |
Research Abstract |
斜面から海底扇状地、ならびに深海平坦面で形成された砂質堆積物は、従来、乱泥流によって深海域に運搬され堆積したタ-ビダイトとして一括して扱われる場合が多かった.このように従来タ-ビダイトとして解釈されてきた砂質堆積物の中に、底層流によってタ-ビダイトが侵食、再移動、再堆積を受けて形成されたと考えられる堆積物(砂質コンターライト)が広く認められるようになってきた.今年度はタ-ビダイトとそれにともなって発達する砂質コンターライトで構成される堆積物(タ-ビダイト-コンターライト連続体;以下ではTCCとよぶ)を中心に、タ-ビダイトと砂質コンターライトの相違点について従来の研究との比較検討を研究を行った.主な結果は以下のとおりである。 タ-ビダイトの砂組成と比較した場合、砂質コンターライトの砂組成に大きな違いは認められない.従来、砂質コンターライトの特徴として、ラミナに沿った重鉱物の能集があげられているが、今回の検討では、このような特徴は認められなかった.むしろ、TCCでの砂質コンターライトの砂組成は、これにともなうタ-ビダイトの砂組成の変化に対応する.例えば、高海水準期のタ-ビダイトは低海水準期や海進期のタ-ビダイトよりも石英粒子の相対的含有量の多い砂組成で特著づけられるが、TCCでは砂質コンターライトにも同様な傾向が認められる. TCCの露頭スケールならびに露頭間での対比に基づいて、砂質コンターライトの内部構造の時空変化を検討した.一般にstarved rippleを示す砂質コンターライトはもとのタ-ビダイトの層厚が5cm以下の場合に特徴の形成されており、側方ではより厚いタ-ビダイトに漸移的あるいはシャープな基底面で重なるカレントリップルラミナを特徴とする砂質コンターライトに変化する場合が多い.また、TCCの特徴の時空変化には規則性が認められない.
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