1995 Fiscal Year Annual Research Report
日本列島のペルム紀花崗岩類の形成場とそのテクトニックな意義
Project/Area Number |
07640601
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 賢 名古屋大学, 理学部, 教授 (00252221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 秀雄 早稲田大学, 教育学部, 助教授 (60154754)
鈴木 和博 名古屋大学, 理学部, 教授 (90111624)
田中 剛 名古屋大学, 理学部, 教授 (00236605)
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Keywords | ペルム紀花崗岩類 / 臼杵川火成岩類 / K-Ar年代 / Rb-Sr年代 / Mタイプ / 阿武隈帯 / 金勝山石英閃緑岩 / ヒョ-越花崗岩類 |
Research Abstract |
日本列島ペルム紀花崗岩類の分布,産状を明らかにすることを目的として,大分県臼杵地方に分布する臼杵火成岩類の地質調査,化学分析,年代測定を行った. 臼杵川火成岩類は石英閃緑岩を主体とし,少量の角閃岩,アブライト脈を伴う.西部ではこれらの石英閃緑岩を原岩として,マイロナイト化が進んでいる.石英閃緑岩及びマイロナイトと角閃岩について,K-Ar年代測定及びRb-Sr全岩アイソクロン年代測定を実施した.石英閃緑岩3試料及びマイロナイト1試料について得られた角閃石のK-Ar年代範囲は252〜272Maとなった.一方,臼杵川火成岩類に伴う角閃岩中のK-Ar年代は124Maとなった.さらに,石英閃緑岩〜ト-ナル岩3試料とそれを貫くアブライト3試料及びマイクロナイト1試料の計7試料につきて得られたRb-Sr全岩アイソクロン年代は275±56Maとなり,Sr初生値は0.7040となった.これらの年代とSr初生値は,関東山地の金勝山石英閃緑岩や,中部地方戸台構造帯のヒョ-越花崗岩類の値,さらに南部北上帯薄衣花崗岩礫の値と完全に一致する.さらに,臼杵川火成岩類は化学組成の点でMタイプに属するということも,金勝山石英閃緑岩やヒョ-越花崗岩類と一致する.一方,上記の角閃岩について得られた白亜紀前期の値(124Ma)は,関東山地御荷鉾帯の寄居変成岩-花崗岩複合岩体で得られた角閃石のK-Ar年代(92-113Ma)に対比される. 以上の結果から,九州東部の御荷鉾帯と黒瀬川帯に挟まれた地域に,関東山地北縁部や戸台構造帯と同様のペルム紀花崗岩類,白亜紀前期高度変成岩類が分布していることが明らかとなり,御荷鉾帯に隣接した地域に,南部北上帯-阿武隈帯構成要素が九州東部まで延びていたという結論に達した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Suzuki,K.,Nasu.T.,Sibuta,K.: "CHIME monazaite age of the Otagiri and Ichida Granites in the Komagane area,Nagano Prefecture." Journal of Earth and Planetary Sciences,Nagoya University. 42. 17-30 (1995)
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[Publications] Khan,I.H.,Suzuki,K.,SHibata,K.,Adachi,M.: "Late Permian CHIME ages of the Hida Gneisses and early Triassic age of the Mizunashi Granite in the Amo area of Hida terrane,Japan." Journal of Earth and Planetary Sciences,Nagoya University. 42. 31-43 (1995)
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[Publications] 柴田 賢・内海 茂: "K-Ar年代測定結果-5-地質調査所未公表試料-." 地質調査所月報. 46. (1995)
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[Publications] 高木秀雄・朴 容世・益子竜行・田中秀実・小泉雅一・板谷徹丸・坂 幸恭: "関東山地,山中地溝帯三山層中の花崗岩礫のK-Ar年代" 地質学雑誌. 101. 648-658 (1995)