1995 Fiscal Year Annual Research Report
未固結堆積物の変形過程におけるブリットル・ダクタイル遷移領域の実験的研究
Project/Area Number |
07640604
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
宮田 雄一郎 山口大学, 理学部, 助教授 (60253134)
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Keywords | 未固結堆積物 / 塑性変形 / せん断破壊 / ダクティリティー / 可視化 |
Research Abstract |
圧縮せん断中における試料の変位分布を可視化する方法として,(1)アクリルで側板を構成した平面歪み実験装置を製作し,(2)粘土試料面に格子パターンを印刷する技術を開発した.これを用いて,予圧密・整形した粘土試料の剪断実験を行い,変形様式の変化をたどった. まず,剪断中の試料を連続的に写真撮影し,応力-歪み関係と変形様式の対応関係を検討した.その結果軸歪みの増加の順に,(1)初期降伏までは弾性変形を反映した格子のたわみだけが観測される;(2)塑性領域で,応力のピークまでのステージには,塑性変形のみならず,変形の局所化と,引き続くせん断面の発生,成長がみられる;(3)ピークを迎える時点で,せん断面が連続して試料を貫く破壊が生じる;(4)その後は共役系が互いに運動と停止を規制し合い,その関係は応力-歪み曲線の段階的な勾配変化によく対応する;(5)破壊後も塑性変形は継続するが,その割合は低下する;などが明らかとなった. この中で特に,せん断面の発生に先立つ変形の局所化についてさらに解析を進めたところ,(1)圧密試料では,塑性変形開始の初期段階まで追跡可能な場合があること,(2)練り返して組織をいったん破壊した試料の場合には,局所化が遅れて出現することがわかった. 以上のことから,破壊の局所化の程度がブリットルな変形様式を規制することが示される.同時に,塑性変形と滑り破壊の総変位量の比をもってダクティリティーと定義すれば,歪み基準の表現が達成されることになる.今後,種々の材料・条件下での結果を出して整理していく必要がある.
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