1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640606
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
小山内 康人 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (80183771)
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Keywords | 肥後変成帯 / 日高変成帯 / グラニュライト / フッ素含有黒雲母 / サフィリン / 部分溶融 |
Research Abstract |
平成7年度の研究実績は以下の通りである.年度当初に実施したフッ素含有黒雲母の溶融実験および肥後変成帯での調査で新知見を得た.また,夏に実施した日高変成帯の調査に関しても新たな知見を得た. 1.解析が進行中であったフッ素含有黒雲母の溶融実験を,オーストラリアのニューサウスウェールズ大学において再開続行した.黒雲母中のXF=0.3の場合1025℃,XF=0.6の場合1075℃でも黒雲母は安定に存在し,超高温変成岩における鉱物共生の説明が可能になった.また,共存するメルト(マグマ)の組成等は福岡教育大学の分析機器を用いて解析中である.結果の一部は,平成7年9月にイタリア・シエナ市で開催された,国際南極地学シンポジウムで発表した. 2.肥後変成帯において,約30日間野外調査を行った.調査は肥後変成帯全域における熱構造を明らかにする事を目的とし,あわせて最高温部における部分溶融過程の詳細を観察した.採取した膨大な試料から,サフィリンを多量に含むグラニュライトを発見した.これは日高変成帯に次いで,国内における2番目の産地となる.この岩石は世界的に極めて希な産出例しか無く,著しくAl,Mgに富むSi不飽和な岩石であり,地殻下部における部分溶融にともなう残留固相とみなされる.緊急な報告の必要性があるため,岩石化学的,鉱物化学的解析を行い,上記実験結果と合わせて,平成8年3月の地球惑星合同学会および4月の地質学会で講演する. 3.日高変成帯においても約30日間野外調査を行い,変成帯のほぼ全域について部分溶融過程の詳細を観察した.採取試料については,本研究費による偏光顕微鏡を駆使し,記載岩石学的検討を行っている.また,塩基性変成岩類の部分溶融を検討するため,その原岩についても再検討し,変成帯の中〜北部と南部で岩石化学組成が大きく異なることを見出した.この成果は,平成7年12月の構造地質研究会で発表した.
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