1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640617
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
川村 寿郎 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (60186145)
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Keywords | 生物礁 / 枠組み構造 / サンゴ / 層孔虫 / 石炭紀 / ペルム紀 / 三畳紀 / ジュラ紀 |
Research Abstract |
古太平洋域で形成されたと考えられる日本列島の後期古生代〜中生代各紀の古生物礁を研究対象として、その分布・規模・化石内容に関する野外調査と化石種・内部構造に関する室内での検討を行った。調査対象としたものは、南部北上帯石炭紀日頃市層・同鬼丸層・飛騨外縁帯青梅石灰岩(以上、石炭紀)、南部北上帯坂本沢層・同岩井崎石灰岩層・同薄衣礫岩ブロック(以上、ペルム紀)、渡島帯上磯石灰岩(三畳紀)、南部北上帯相馬層群・北部北上帯尻屋石灰岩・常呂帯北見相内石灰岩(以上、ジュラ紀)に含まれるバイオリサイトである。調査・検討の結果、1)海山起源の付加体地質区の石灰岩体では、縁辺の生物礁またはラグーン内のマウンドの生物礁である、2)大陸縁辺島孤起源である南部北上帯の石灰岩では、陸棚上のマウンドや小規模なパッチ状コロニーまたはバンク上の生物礁である、3)現世と類似した明瞭な枠組み構造をもつ生物礁は、ペルム紀(サンゴ礁)とジュラ紀(サンゴ-層孔虫礁)に認めらる、ことが明らかとなった。 また、日本列島の後期古生代〜中生代の石灰岩中の造礁性生物化石およびバイオリサイト関する文献を収集・整理した。合わせて、これまでデータベースとして報告された世界の他地域の古生物礁と予察的に比較した。その結果、4)日本列島の古生物礁の生物構成内容は、大きくみて、石灰紀前期、石灰紀後期〜ペルム紀前期、ペルム紀後期、三畳紀、ジュラ紀によって異なり、これは世界的な傾向に一致する、5)枠組み構造としてみた場合、日本列島の石炭紀前期・ペルム紀後期・ジュラ紀の各生物礁は、同時代の生物礁の中では特異なものである、ことが明らかとなった。
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[Publications] Kawamura,T.and Machiyama,H.: "Late Permian coral-reef complex,South Kitakami Terrane,Japan," Sedimentary Geology. 99. 135-150 (1995)