1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640618
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
丸山 俊明 山形大学, 理学部, 助教授 (70165950)
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Keywords | 珪藻 / 新第三紀 / 中新世 / 古海洋 / 生層序 / 微化石 / 年代決定 |
Research Abstract |
1.南北測線に沿った珪藻群集の頻度分布を考察する目的で、新潟県長岡市東方および秋田市南方の新第三系分布地域において生層序分析用のセクションを設定しようと試みたが、保存良好な岩石試料を入手することができなかった。そこで既存の試料を検索した結果、新潟県北部の胎内川ルートを検討候補に追加することにした。また、秋田県南部の2地点から中部中新統を主眼としたボーリング試料の入手が実現できた。 2.山形盆地西縁部の山形大海牛産出層準近傍から年代決定が確実な化石帯、すなわち、上部中新統のDenticulopsis dimorpha帯を発見できた。この発見によって地域層序の岩相層序区分の再検討が必要となり、合わせて山形盆地西縁部の地質年代論や構造発達史の解明が課題となってきた。一方、真室川北方の鯨化石産地周辺からは中新統と鮮新統の境界付近の年代決定に有望な岩石試料を系統的に採集できた。 3.津軽半島における既存のデータを再整理したが、続成変化による標本の劣化が著しく、定量分析には不向きなことが明らかになった。しかし、基準面の再評価や堆積速度の推定に関して、放散虫とインテグレイトした生層序分析に成功した。その結果、オパールCT相以上に続成変化している硬質頁岩層を上下から挟み込む形で微化石年代を決定できた。 4.計画当初は自動撮影機能を備えた顕微鏡の購入を予定していたが、設備備品費の減額に対応して位相差装置を備えた機種に変更した。研究対象とする珪藻化石は透明で密度差を持たないため、透過光による分類同定に際して時折困難が生じていた。しかし、位相差装置の導入によってこの点が改善され、現有の写真撮影装置やテレビカメラ装置との共有も実現できた。
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