1996 Fiscal Year Annual Research Report
X線その場観察法によるマントル鉱物の状態方程式の決定
Project/Area Number |
07640632
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大沼 晃助 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50000865)
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Keywords | オリビン / スピネル / メ-ジャライト / 圧縮率 / 状態方程式 / 地震波速度 / パイロライト |
Research Abstract |
本年度においては、前年度に導入した高温合成炉を用いて、出発物質Mg_2SiO_4オリビンやMg_3Al_2SiO_3O_<12>-MgSiO_3固液体組成のガラスを合成し、それらを高温高圧で処理し、高圧鉱物スピネルMg_2SiO_4およびメ-ジャライトガ-ネットを合成した。これらを出発物質として、高温高圧X線回折実験を行いスピネルMg_2SiO_4及びメ-ジャライトガ-ネットの圧縮率と熱膨張率の精密決定を行った。スピネルに関しては実験は18GPaから24GPa、25℃から800℃の温度圧力範囲で行った。また、メ-ジャライトガ-ネットについては、6GPa-23GPa、20-500℃の温度圧力範囲において実験を行った。前年度の研究成果を含めると、上部マントルとマントル遷移層の重要な構成鉱物の状態方程式を明らかにすることができた。以上の実験により決定した状態方程式にもとづいて、地温勾配に沿った上部マントルとマントル遷移層でのマントル構成鉱物の密度を計算し、地震学情報と比較した。その結果、パイロライト組成で期待される上部マントルとマントル遷移層を分ける410kmの地震波不連続の密度ジャンプは、地震波速度分布(PREM)から期待される値より小さく、観測値を説明するためには、マントル遷移層の上部のオリビンの量がパイロライトよりも大量に存在する必要があることが明らかになった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] F. Ohtani 他: "Origin of cratonic peridotite and Komatite - Evidence for melting in the met Archean mantle" Proceedings of Japan Academy. 72B. 113-117 (1996)
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[Publications] E Ohtani and H. Yurimoto: "Element pantitioning between metallic liquid, mogiresiowastite, and silicate liquid at 20 GPa and 2500℃ : Asecondary ion mass spectroscopic study" Geophys. Res. Lett.23. 1993-1996 (1996)
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[Publications] D. Yamazaki 他: "Grain growth kinetics of MgSiO_3 perovskite and MgO Peridase under lower mantle manthe emotions" Science. 274. 2052-2054 (1996)
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[Publications] 山崎大輔,加藤工,大谷栄治: "超高圧下における応力場による選択配向" 地震. 49. 39-53 (1996)
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[Publications] 大谷栄治: "超高圧実験が拓く地球内部地下500kmに集積するダイヤモンド" パリティ. 11. 126-132 (1996)