1996 Fiscal Year Annual Research Report
位相-変調ラマン分光法による共役高分子の光誘起過程の研究
Project/Area Number |
07640665
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古川 行夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50156965)
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Keywords | ラマン分光 / 共役高分子 / 導電性高分子 / 光誘起 |
Research Abstract |
平成7年度に製作した位相-変調ラマン分光計の制御・スペクトル測定・データ処理を,パーソナルコンピューター(本研究費で購入)でおこなうためのプログラムを作成した.主な機能は,コンピューターからの信号で分光計を走査する,ロックインアンプからの出力をAD変換してコンピューターに取り込む,波数校正,ピーク波数の読みとり,差スペクトルの計算,フロッピ-ディスクへのデータ格納,プロッターへの出力,などである.ポリアセチレンとポリチエニレンビニレンの光誘起ラマンスペクトルの測定を試みた.ポリアセチレンまたはポリチエニレンビニレンの薄膜をクライオスタットのヘッドにとりつけ,77Kに冷却して,アルゴンイオンレーザーの514.5nm光(ポリマーの電子吸収帯内に位置する波長)を照射した場合としない場合の差ラマンスペクトル(プローブ光の波長は,ポリアセチレンでは830nm,ポリチエニレンビニレンでは1064nmである)を測定した.その結果,光照射により起こるラマンスペクトルの変化を観測することに成功した.レーザー光照射による加熱効果の影響を調べるために,試料の温度を上げて,77Kでのラマンスペクトルとの差スペクトルを測定した.光照射によるラマンスペクトルの変化は加熱によるラマンスペクトルの変化と異なっており,観測された光誘起ラマンスペクトルは,光照射により生成した荷電励起種によるものであると結論した.
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