1995 Fiscal Year Annual Research Report
赤外-可視和周波発生によるダイヤモンド表面CH結合の振動分光
Project/Area Number |
07640667
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 千秋 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 講師 (20202418)
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Keywords | 和周波発生法 / ダイヤモンド / 表面振動分光 / C(100)表面 / 赤外パルスレーザー / プラズマ水素化 / ホモエピタキシャル成長 / 偏光解析 |
Research Abstract |
赤外-可視和周波発生法を用いて2種類の方法で調製したダイヤモンドC(100)表面のC-H種を研究した。和周波発生法の測定装置は、パーソナルコンピューターを用いた自動波長掃引部、信号積算ソフトウェアなどを自作することにより従来より優れた信号雑音比のスペクトルを得られるよう改良して用いた。和周波発生スペクトルの入射光の偏光特性を測定し、それを解析することによって、CH、CH_2種などの同定のみならず表面でのC-H結合の傾き角についての情報が得られた。プラズマCVD法によってホモエピタキシャル成長させたC(100)表面ではCH、CH_2の2種の表面種に帰属されるバンドが観測された。このCH基の傾き角は表面法線より30〜60°であることが計算され、ダイマー構造(HC-CH)を形成していることが示唆された。このことは低速電子線回折法によって報告された(2×1)構造と一致した。またCH_2種はC_<2V>軸が表面法線から40°傾いていることが確認された。一方、研磨した表面をプラズマ水素化したC(100)試料ではC-H伸縮振動領域のスペクトルに多数のバンドが観測され、表面が乱雑な状態であることがわかった。これは、プラズマ水素化中に表面炭素が酸化によって格子欠陥になるためであろうと推測された。プラズマCVD法によってホモエピタキシャル成長させたC(100)表面が原子オーダーで整然と配列したものであることが示唆された。これらのことから、赤外-可視和周波発生法がダイヤモンド表面の成長過程の表面種の構造解析に有効であることがわかり、今後の応用が期待される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Chiaki Hirose: "Infrared-visible sum frequency genaration spectroscopy applied to adsorption and reaction at solid surfaces" SPIE Proceedings. 2547. 12-20 (1995)
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[Publications] Takeshi Anzai: "Vibrational sum-frequency generation spectroscopy of a homoepitaxially-groun diamond C(100)surface" Journal of Molecular Structure. 352/353. 455-463 (1995)