1996 Fiscal Year Annual Research Report
電子受容色素を持つタンパク質の電子状態と電子移動経路の理論的研究
Project/Area Number |
07640682
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
柏木 浩 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (10000853)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 文俊 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00235392)
岡本 正宏 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (40211122)
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Keywords | タンパク質 / 密度汎関数法 / オブジェクト指向プログラミング / チトクロムc_3 / オブジェクト指向による並列化 / AVS / JAVA / VRML |
Research Abstract |
本年度は電子受容色素を持つタンパク質の巨大で複雑な電子状態をいかに効率的に計算させるかを最大の焦点とした。平成8年度の成果は以下の通りである。 1.タンパク質の全電子波動関数を計算する独自の密度汎関数法プログラムのほぼ全計算過程を並列化した。本研究で開発した密度汎関数法プログラムはオブジェクト指向技術を取り入れている。並列化にもこの技術を導入することにより、計算シナリオ部・計算実行部・並列処理通信部・計算機種依存部を明示的に分離することに成功した。これにより様々な並列計算機環境に柔軟に対処しうるプログラムが提供できる。数台のワークステーションによるテストの結果、90%以上の並列化効率が得られた。この並列版プログラムを超並列コンピュータ上で実行することにより数百残基のタンパク質の全電子計算が可能となることが明らかとなった。 2.タンパク質の初期電子密度を合成するためのアミノ酸残基の電子密度データベースを整備した。同様にヘムの電子密度を計算し、データベース化した。 3.これらを高機能ワークステーション上で実行し、結果を可視化する統合環境を更新した。計算実行にあたり複雑な電子状態をマウス操作で指定するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースをネットワーク操作に有為なオブジェクト指向言語JAVAおよびVRML(Virtural Rcality Modcling Language)を用いて作成した。また、タンパク質の大きさを考慮にいれて1,000倍程度の拡大縮小に耐えうるような高品位かつ高速な結果解析環境をグラフィックスツールAVS(Application Visualization System)を用いて作成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] F.Sato.et al.: "Development of A New Density Functional Program for All Electron Calculation of Proteins" Int.J.Quant.Chem.(in press). (1997)
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[Publications] T.Sakuma,et al.: "Ab initio MO Study of the Chlorophyll Dimer in the Photosynthetic Reaction Center.I.A Thcorctical Treatment of the Electrostatic Field Created by the Surrounding Proteins" Int.J.Quant.Chem.61. 137-151 (1997)
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[Publications] H.Kashiwagi,F.Sato: "Development of An Integrated System Designed for Calculating All Electron Wavefunctions of Proteins and their Electron Transfer Pathways" Proc.Electron Transfer in Proteins and Supramolecular Assemblies at Interfaces. 1. 77-78 (1996)
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[Publications] F.Sato,and H.Kashiwagi: "Development of A New Density Functional Program for All Electron Calculations of Proteins by Adopting Recent Software Technology" Proc.10th Seminar on Computational Methods in Quantum Chemistry. 1. 40-40 (1996)