1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640685
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
上田 豊甫 明星大学, 理工学部, 教授 (80062321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 正道 いわき明星大学, 理工学部, 教授 (40012588)
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Keywords | 偏光ラマンスペクトル / 核酸 / ラマンテンソル |
Research Abstract |
核酸の二次構造や配向状態を、さらにそれと結合する蛋白質や薬剤の会合構造の知見を得るために、顕微ラマン分光の研究を進めている。仔牛胸腺のDNAは、保存状態の湿度を調整して、A形・B形の配向繊維を得た。偏光ラマンスペクトルを測定して、二次構造のマーカーバンドの挙動を明らかにしたが、主鎖骨格のリン酸ジエステル部位の解釈に疑問が残った。 また、合成RNAのA形繊維であるポリ(rI)・ポリ(rC)の偏光ラマンスペクトルを取得し、ラマンテンソルかららせん軸に対する塩基の傾き状態を推定した。 本研究費によるAr^+レーザーチューブの更新によって、ラマン励起光源が納入時の強度に復帰し、偏光ラマンスペクトルの質が向上するとともに、水溶液の偏光解消度の精度も上げることができた。 ポリマーの知見を定量化し確実にするために、核酸や蛋白質の構成単位の単結晶作製とラマンスペクトルの取得に努めた。イノシン酸・環状アデノシン1リン酸などのヌクレオチドや、シチジン・チミジンなどのヌクレオシド、シトシン・チミン・プリン・ヒポキサンチン・プソイドウリジンなどの塩基について解析を進め、個々の部位とくに塩基部位に基づくラマンバンドを識別し、幾つかの特徴的なバンドのラマンテンソルを決定した。さらにアミノ酸についても、側鎖に環状構造を持つトリプトファンやチロシン・フエニルアラニンなどについて単結晶作製とラマンスペクトルの解析を推進した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] G. J. Thomas, Jr.: "Polarized Raman Spectra of Oriented Fibers of A DNA …" Biophysical Journal. 68. 1073-1088 (1995)
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[Publications] Masamichi Tsuboi: "Localized Raman tensors in some biopolymers" Journal of Molecular Structure. 352/353. 509-517 (1995)
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[Publications] Masamichi Tsuboi: "Raman Tensor of Adenosine Residue for the 1580 cm^<-1>…" Journal of Raman Spectroscopy. 26. 745-749 (1995)
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[Publications] Koichi Ushizawa: "Polarized Micro Raman Spectroscopic Studies of Nucleic…" NUCLEOSIDES & NUCLEOTIDES. 15. 569-584 (1996)
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[Publications] Masamichi Tsuboi: "Raman Tensors for the Tryptophan Side Chain in Proteins…" Journal of Molecular Structure. (in press). (1996)
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[Publications] Toyotoshi Ueda: "Local Raman Tensors of Cytidine and Their Orientations in" Journal of Molecular Structure. (in press). (1996)
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[Publications] 上田豊甫(分担): "核酸化学の新展開" 共立出版(株), 504 (1995)