1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640694
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
戸野倉 賢一 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (00260034)
|
Keywords | 光解離 / ラジカル / 画像観測 / クロロエチレン |
Research Abstract |
光解離ダイナミクスの研究は、多原子分子にいたるまで中性分子を対象として幅広い研究が行われてきた。最近、大気光化学反応及び星間化学反応において、不対電子を持つフリーラジカル種の光化学反応が、重要な役割を果たしていることがわかってきた。本研究では、C_nH_mラジカルの解離に注目し、共鳴多光子イオン化画像観測方により、その解離ダイナミクスについて研究した。 本年度は、光解離法によるC_nH_mラジカルの生成について検討した。その対象として、クロロエチレン類の紫外光分解によって生成するラジカルの生成実験を行いその生成機構について検討した。 塩化ビニル(C_2H_3Cl)を紫外レーザー光照射で光解離させ、C_2H_3ラジカルを生成した。この際生成するC_2H_3ラジカルは、190-210nmの波長領域で効率良く解離生成することがわかった。 一方、ジクロロエチレン類(C_2H_2Cl_2)の光分解では、C_2H_2Clラジカルの生成及び解離機構に励起波長依存性が見られた。短波長励起(190-210nm)では、光分解で生成したC_2H_2Clラジカルがかなり振動励起しているため、自発的に二次解離を起こす。193nm光励起では、100%近くC_2H_2とClに解離することがわかった。長波長励起(220-235nm)では,収量こそ少ないが、C_2H_2Clラジカルの安定な生成が確認された。
|