1995 Fiscal Year Annual Research Report
縮退四波混合分光法による分子の前期解離ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
07640697
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
築山 光一 東京理科大学, 理学部・化学科, 助教授 (20188519)
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Keywords | パラメトリック四波混合 / 自然放射増幅光 / Kr / NO |
Research Abstract |
原子系(Kr)および分子系(NO)において、二光子共鳴パラメトリック四波混合過程を確認した。 Kr:5p二光子共鳴準位を励起した際に5p-5s遷移に帰属される800nm付近の近赤外光とKr共鳴線として知られている123.6nmの真空紫外光を同時に観測した。いずれもレーザー伝搬方向と同じ方向に狭い立体角を持って射出している。両波の発生機構については、一つの仮説として、まず反転分布を形成している5p-5s間において自然放射増幅光が発生し、それがレーザー場とカップルしパラメトリック四波混合過程を形成し真空紫外コヒーレント光を発生する。この仮説は、真空紫外光および近赤外光に対する励起スペクトルが一致することと矛盾しない。 NO:二光子でC状態を励起した際、C-A遷移に対応する近赤外光と,A-X遷移に対応する紫外光がレーザー同軸方向に発生することを確認した。それぞれの偏光方向を調べたところ、いずれもほぼ100%の偏光性を示し、レーザーの偏光面と平行であった。このことから両波がコヒーレントな光学過程によって発生していることがわかった。紫外光の時間プロファイルがレーザーパルスのそれとほぼ同じであることも、紫外光が螢光ではないことを支持する。Krの場合と同様に、二光子共鳴パラメトリック四波混合過程が発生機構ではないかと思われる。紫外および近赤外光に対する励起スペクトルはレーザー分解能内で一致しており、またピーク形状はほぼレーザー線幅で制限されていてなんらの非対称性も見られないことから、新規なレーザー分子分光法として発展する可能性がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] J. Ishii, K, Uehara K. Tsukiyama: "Cascading amplified spontaneous emission of NO Rydberg states" J. Chem. phys.104. 499-508 (1996)
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[Publications] K. Tsukiyama: "Parametric four wove mixing in Kr" J. Phys. B. (印刷中).