1996 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属錯錯体 触媒によるケイ素化合物のメタテシス反応の研究
Project/Area Number |
07640707
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加部 義夫 筑波大学, 化学系, 講師 (40214506)
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Keywords | 環状ケイ素化合物 / 1,2-ジシラシクロブタン / Si-Siメタテシス / トランスメタル化 / ジルコニウム錯体 / 環化付加 |
Research Abstract |
環状ジシランの1,2-ジシラシクロブタンがパラジウム触媒でケイ素-ケイ素メタテシス反応により二量化することを見出しているが、しかしながら1,2-ジシラシクロブタン骨格の一般的な合成法がなく平成7年度に続いて平成8年度においてもビスアルキニルジシランのジルコニウム錯体によるジインカップリング反応を用いる合成法を検討した。この方法ではアセチレン末端がアルコキシ基で置換されるときのみ1,2-ジシラシクロブタン骨格を有するジルコナシクロペンタジエンを定量的に与える。このジルコナシクロペンタジエンをジアルコキシスズによりトランスメタル化すると1,2-ジシラシクロブタン骨格を有するスタンノール誘導体が定量的に生成することを明らかにできた。さらに電子吸引性アセチレン(アセテイレンジカルボン酸ジメチル・プロピオール酸メチル・エチニル-P-トリルスルホン)と環化付加、スタニレン脱離するとベンゾ-1,2-ジシラシクロブタンを良好な収率で与えることを見出した。得られたベンゾ-1,2-ジシラシクロブタンとテトラキストリフェニルフォスフィンパラジウムとの反応を検討したところパラジウムがケイ素-ケイ素結合に量論的に挿入してケイ素-ケイ素結合メタテシス反応の中間体と考えられるジシリルパラジウム錯体が定量的に生成することが確認された。上記の結果については学会(第11回有機ケイ素化国際シンポジウム、モンペリエ、フランス、第43回有機金属討論会PA-116,大阪)で発表し現在論文を準備中です。
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