1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640709
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
町口 孝久 埼玉大学, 理学部, 教授 (00008864)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山辺 信一 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (00109117)
長谷川 登志夫 埼玉大学, 理学部, 助手 (00237976)
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Keywords | ケテン / ジエン / トリエン / トリポチオン / 水銀錯体 / 赤外スペクトル / トロポン |
Research Abstract |
今年度においては、以下に示した新規のπ電子系化合物の反応および性質ついての新しい知見を得た。一方、ケテン化合物との新しいタイプの反応の発見し、その反応機構を実験的および理論的に解明した。 1.ケテンのジエン類に対する反応挙動を再検討した結果,ケテンの環化付加反応についての認識を刷新する新事実を発見した。この発見によって、定説の「ケテンのジエン不認識問題」に最終的解答を得た。 2.今までには全く知られていない7員環π電子系化合物の環開裂反応をみいだし、本反応の特徴を理論的かつ実験的に解明した。この反応ははじめての簡便なトリエン合成法になり、合成反応への今後の応用が期待される。 3.母体骨格構造を有しかつ不安定なC=S結合が組みこまれたπ電子系化合物「トロポチオン」を水銀錯体として室温で安定に保存する方法を見い出した。 4.上記のπ電子系化合物「トロポチオン」の赤外スペクトルの測定およびその理論的な解析によって、この化合物の酸素同族体であるトロポンの赤外スペクトルにおいて決定できていなかったC=O結合の伸縮振動の帰属をあきらかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Shinichi Yamabe: "Ketene is a Dienophile for [4+2](Diels-Alder) Reactions Across its C=O Bond" J.Am.Chem.Soc.118. 6518-6519 (1996)
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[Publications] Tsutomu Minato: "Why are the Troponoid Rings of the Mesylate and Tosylate of Tropone Oxime Cleaved Easily by Nucleophiles?" Tetrahedron. 52. 8439-8450 (1996)
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[Publications] Shinichi Yamabe: "Novel πHgCl_2 Complexes of Tropothione" J.Mol.Struct.THEOCHEM. 387. 2864-2872 (1996)
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[Publications] Toshio Hasegawa: "Infrared Spectroscopy of Tropothione" J.Mol.Struct.THEOCHEM. 387. 2918-2926 (1996)
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[Publications] Takahisa Machiguchi: "The Problem of Non-Recognition for Dienes in Ketene Reactions (A Big Fault in Ketene Histry and Its Solution)" 有機合成化学協会誌. 55. 56-64 (1997)