1995 Fiscal Year Annual Research Report
リパーゼ類の活性部位モデルの構築と同酵素によるエステル交換反応の立体選択性の制御
Project/Area Number |
07640718
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
苗村 浩一郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029437)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 敬治 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (10252628)
|
Keywords | 酵素活性部位モデル / リパーゼ / 酵素的エステル交換反応 / アルコールの光学分割 / 不斉識別 |
Research Abstract |
平成7年度は、従来から継続して行っているPseudomonas sp.由来のリパーゼYSによるアルコール類のエステル交換反応の立体選択性に関する研究を完了したことで、その立体選択性を説明する為の「酵素活性部位モデル」をより精密度のたかいものとして完成させた。引き続きAlcaligenes sp.由来のリパーゼQLを用いたアルコール類の鏡像体区別エステル交換反応を行い、有機合成に有用な数々の光学活性アルコールを合成すると同時に、この反応の立体選択性を調べ、その「酵素活性部位モデル」を構築した。これらモデルの提案は省エネルギー的、かつ、クリーンな反応として有機合成の分野でその重要性が認識されてきている酵素反応において、リパーゼによるエステル交換反応をアルコール類の光学活性体を合成する為の手法としてより使い易いものとした点で有機合成の分野の発展に寄与するものである。 さらに、エステル交換反応の立体選択性の研究に関連して、エステル交換反応に使用するエステルの構造を変えることで、反応の立体選択性を制御できることを見いだし、従来の方法では十分な結果が得られていなかったアルコール類の光学分割をより効率よく行うことができるようになった。これに関しては平成8年度にさらに詳細な研究を行うことを計画している。 一方、人工ホスト化合物である光学活性クラウンエーテルにおけるアミン類の不斉識別に関する研究は、酵素反応の活性部位で起こっている基質分子の不斉を識別する過程の機構の解明と密接な相関があり、これに関連した申請者の一連の研究は「酵素活性部位モデル」を構築する為の基礎的情報として貢献している。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Koichiro Naemura: "Synthesis of azophenolic crown ehters of Cs symmetry incorporating cis-1-phenyl-cyclohexane-1,2-diol residues as steric barrier and diastereotopic face selectivity" J.Chem.Soc.Perkin Trans.I. 1924-1935 (1995)
-
[Publications] Koichiro Naemura: "Preparation and Enantionmer Recognition of Chiral Azophenolic Crown Ethers Having three Chiral Barriers on each of the Homotopic Faces" Tetrahederon : Asymmetry. 6. 1873-1876 (1995)
-
[Publications] Koichiro Naemura: "Lipase-catalyzed Enantioselective Acylation of Alcohols : a Preparative Active Site Model for Lipase YS to Identify which Enantiomer of an Alcohol Reacts Faster" Tetrahederon : Asymmetry. 6. 2385-2394 (1995)
-
[Publications] Hajime Shigematsu: "Horse Liver Alcohol Dehydrogenase-catalyzed Enantioselective Reduction of Cyclic Ketones : The Effect of the Hydrophobic Side Chain of the Substrate" Tetrahederon : Asymmetry. 6. 3001-3008 (1995)
-
[Publications] Koichiro Naemura: "Preparation and enantiomer recognition behaviour of azophenolic crown ether containing cis-1-phenylcyclohexane-1,2-diol as the chiral subunit" J.Chem.Soc.Perkin Trans.I. 383-388 (1996)