1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラクタシスチン疎水性側鎖の変換による神経栄養因子活性と細胞毒性の調節
Project/Area Number |
07640724
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇野 英満 愛媛大学, 機器分析センター, 助教授 (20168735)
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Keywords | 神経栄養因子 / アルドール反応 / グルタミン酸 |
Research Abstract |
ターゲットとしていたラクタシスチン類縁体のうち、側鎖がヒドロキシベンジルとなっている化合物1の合成を完了し、昨年12月に開かれた環太平洋化学会議で発表した。しかし最終生成物の量は3mgであり、現在生理活性試験に出せるだけの量を合成しているところである。 我々の合成経路の重要中間体である(3S)-3-フェニル-5-(t-ブチルジメチルシロキシ)-6-メチル-1H-ピロロ[1、2-c]オキサゾール(2、シロキシピロール2)とベンズアルデヒドの反応は、イソブチルアルデヒドとの反応の時の立体選択性と全く異なる結果が得られた。ルイス酸として三フッ化ホウ素を用いると望む立体化学と完全に反対の絶対配置を持つ異性体が主に生成した。四塩化スズを用いて反応を行っても選択性は低いものの同じ異性体が主生成物として得られた。構造に関してはX線結晶構造解析により最終に決定した。この問題を解決するためにシロキシピロール2の3位エナンチオマーであるシロキシピロール3で合成を行う事とし、L-グルタミン酸から化合物3を合成した。化合物3とベンズアルデヒドとの反応で望む立体化学を持つ4を得た後、ラクタシスチン合成の経路と同様の経路で目的物1とした。 この合成経路で用いたシロキシピロール類とアルデヒドとの反応は、ルイス酸のみならずアルデヒドの種類が変わっても、反応の面選択性が変化するというたいへん興味深いものである事が分かった。現在この面選択性に寄与する因子を解明すべく、種々のシロキシピロール及びそのリチオ誘導体と親電子試剤の反応を検討中であり、結果については3月下旬に開かれる日本化学会第70春季年会で発表予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Uno et al.: "Synthesis of Porphyrins Substituted with Long Alkoxy Groups" Mol.Cryst.Liq.Cryst.(in press).
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[Publications] H.Uno et al.: "Reaction of 2-Nitroenamines and 2-Nitroalkenyl Sulfides with Ethyl Isocyanates. A Novel Synthesis of 1-Hydroxypyrazoles" J.Chem.Research. (in press).
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[Publications] H.Uno et al.: "A New Aspect of the Reaction of Nitro Heteroaromatics with Ethyl Isocyanoacetate" J.Chem.Soc.Perkin 1. (in press).
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[Publications] H.Uno et al.: "A Novel Trimerization of 1-Phenylsulfanyl-2,2,2-trifluoroethyl Isonitrile Giving a Dihydropyrimidine Derivative" Bull.Chem.Soc.Jpn.(in press).
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[Publications] H.Uno et al.: "The First Preparation of Crown Ether-Annulated Porphyrin" Tetrahedron Lett.(in press).