1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規のシアノ架橋複核金属錯体の設計・開発およびそのロタキサンの合成
Project/Area Number |
07640741
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井原 良訓 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70115210)
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Keywords | シアノ架橋錯体 / 磁気的相互作用 / 希土類錯体 / クロム錯体 |
Research Abstract |
1.シアノソースとしてのモノシアノあるいはジシアノクロム(III)錯体の合成が本研究の突破口となる。まずこのようなシアノソース錯体の簡便的合成を手掛けた。その結果、モノシアノ(〔Cr(CN)(NH_3)_5〕(ClO_4)_2)、およびジシアノ(trans-and-cis-〔Cr(CN)_2(en)_2〕ClO_4)錯体の合成、単離に成功した。 2.(1)モノシアノ錯体とアクアクロム(III)錯体(〔Cr(H_2O)(NH_3)_5〕^<3+>)、(2)トランス-ジシアノ錯体とトランス-ジアクアクロム(III)錯体(trans-〔Cr(ox)_2(H_2O)_2〕)、(3)シス-ジシアノ錯体とシス-ジアクアクロム(III)錯体(cis〔Cr(ox)_2(H_2O)_2〕)との組み合わせで、それぞれ二核錯体、一次元鎖状多核錯体、平面型四核錯体の合成を様々な条件で試みた。現在までのところ、(2)の場合に限って、錯体の単離に成功した。種々のスペクトル測定により、シアノ架橋の存在は認められるが、結晶解析等を含めた同定作業には至っていない。 次年度以降、遷移元素と希土類元素とのシアノ架橋混合二核錯体の合成を手掛ける予定である。そのため、今年度はその予備的実験として、コンパートメント型二核化配位子(N,N^´-ビス(2-アミノエチル)オキサミド)を用いて、f-d混合二核錯体の合成を試みた。この際、特に反応溶媒の選定という観点で実験を進めた。その結果、メタノール溶媒中、水酸化リチウムアルカリ性下で、4種類の錯体、Cu-Ln(La,Ce,Pr,Nd)の合成・単離に成功した。今後は、強い磁気的相互作用が期待できる遷移元素と希土類元素との組み合わせで、シアノ架橋錯体について検討する。
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Research Products
(1 results)