1996 Fiscal Year Annual Research Report
新規のシアノ架橋複核金属錯体の設計・開発およびそのロタキサンの合成
Project/Area Number |
07640741
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
井原 良訓 金沢大学, 教育学部, 助教授 (70115210)
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Keywords | シアノ架橋錯体 / f-d混合二核錯体 / ソルバトクロミズム |
Research Abstract |
1.モノシアノあるいはジシアノクロム(III)錯体と、シアノ架橋を受けるもう一方の異種金属錯体との反応を排水溶媒中で行なうことができれば、目的錯体の合成に大きく前進するものと思われる。特に、ジクロロエタン、ニトロメタン、あるいはジオキサンなどの極性の極めて弱い溶媒に溶解するような反応種をデザインし合成する必要がある。以上の観点のもとに、今年度は以下に示した錯体の合成について検討した。 (1)シアノソース側のクロム(III)錯体:リガンドとしてヘキサフルオロアセチルアセトン(hfac)を導入し、そのモノシアノ錯体([CrCN(hfac)_2X]^<+0.1,or-1>)およびジシアノ錯体(trans-or cis-[Cr(CN)_2(hfac)_2]^<-1>)の合成を試みた。錯体の電荷は、+1〜-1となり、さらに非極性溶媒への溶解度が高まることが期待されるが、現在のところその合成には至っていない。 (2)シアノ架橋を受ける側の異種金属錯体:トロポロン(trop)あるいはヒノキチオール(hino)と、ジアミンとの混合配位子錯体をデザインし、cis-[Ni(trop/hino)(diamine)(H_2O_2)]Xおよび[Cu(trop/hino)(diamine)]Xの合成に成功した。クロム(III)錯体との直接反応により、前者のニッケル(II)錯体ではシス位の水分子の占めるサイトに、後者の銅(II)錯体ではアキシャルの空いたサイトに、それぞれシアノ架橋が期待できる。一方、異種金属としてランタニドについても検討し、無電荷となるhfac錯体([Ln(hfac)_3(H_2O_2])を合成した。 2.次年度はクロム(III)以外の遷移元素と希土類元素とのシアノ架橋混合二核錯体の合成も手掛ける予定である。そのため、今年度はその予備的実験として、オキサラトあるいはオキサミド架橋のf-d混合二核錯体の合成を試みた。その結果、Cu-Laの組み合わせでオキサミド錯体の単離に成功した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 井原良訓: "Solvatochromic mixed-ligand copper(II) chelates with N-or N,N′-methylated ethylenediamines and tropolonato or hinokitiolato ligands" Polyhedron. 15. 3643-3646 (1996)
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[Publications] 井原良訓: "Solid-phase thermal cis-to-trans isomerization of the nickel (II) complexes containing 1-benzyl-1,2-ethanediamine" Thermochimica Acta. (in press). (1997)