1996 Fiscal Year Annual Research Report
剪断応力場に於ける蛋白質の自己組織化と液-液相分離:粘弾性位相差顕微鏡による研究
Project/Area Number |
07640774
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
甲斐原 梢 九州大学, 理学部, 助手 (90080564)
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Keywords | 弾性線維蛋白質 / エラスチン / コアセルベーション / 液-液相分離 / 自己組織化 / 流動誘起相分離 / 粘弾性位相差顕微鏡 / 臨界現象 |
Research Abstract |
1.粘弾性位相差顕微鏡の製作 倒立型位相差顕微鏡(オリンパスIMT-2型)とコーン・プレート型回軽デジタル粘度計(トキメックDVM-EII型)に改造を施し、粘弾性位相差顕微鏡を製作した。観察ステージ上、対物レンズ光軸上に透明コーンを装着した回転粘度計が位置する基本構成のため、顕微鏡では、光源及び位相差コンデンサー部を取り外し、側方部へ移動させる事が必要であった。光源、コンデンサー、対物レンズ間の相対的な位置及び間隔に制約があるため、光源とコンデンサーが固定された柱状部ごと顕微鏡本体部より取り外し、ステージ上に横置とする固定台を製作した。光源よりの水平方向の光は、反射鏡あるいはプリズムをマイクロマニピュレータで操作する事により下方へ曲げられ試料を照明する。回転粘度計では、固定台製作、横置となった光源部を避けるためのコーン固定シャフトの延長、アクリル樹脂製の角度0.8度の透明コーン製作が要点となった。測定に先立ち、各固定台脚部に設けた調節用ネジ、コンデンサー調節ネジ、コーン位置微調整ネジを用いて、観察に最適な状態とする。更に、温度制御部は、2枚の薄板ガラス間に恒温水を循環させる方式から、ベルチェ制御式に改めた。今後、各部に改良を加えつつ研究を継続する。 2.弾性線維蛋白質-水系の液-液2相分離の位相差顕微鏡観察 前項で述べた粘弾性位相差顕微鏡を用いた測定の対照系として、又、粘度や動的光散乱測定で取り扱ってきた弾性線維蛋白質-水系の相分離に閑する結果との比較を行う目的で、ウシ項靱帯由来α-エラスチン-水系の相分離過程の位相差顕微鏡観察を行った。他の測定法では対応出来ない相分離が進行した段階でも有効な位相差顕微鏡観察法の導入は、特に相分離初期過程に対して有効な光散乱測定結果と対応させる事により、相分離前駆過程から分離層形成過程に至る広範な相挙動に対し有用な知見を得る事が可能となった。
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[Publications] 甲斐原 梢: "Characteristic Interaction of Ca^<2+> Ions with Elastin Coacervate:Ion Transport Study across Coacervate Layers of α-Elastin and Elastin Model Peptide,(Val-Pro-Gly-Val-Gly)_n" Biopolymers. 39-2. 189-198 (1996)
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[Publications] 甲斐原 梢: "Biological Self-Assembly Model of Elastomeric Protein:Characteristics of Critical Processes in Coacervation of Elastin Peptides" Peptide Chemistry 1995. 345-348 (1996)
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[Publications] 児玉 浩明: "Structural changes in Elastin Model Peptides upon Interaction with Biologically Important Metal Ions" Peptide Chemistry 1995. 433-436 (1996)
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[Publications] 古屋 浩美: "Solid and Solution Properties of Alkylammonium Perfuluoocarboxylates" Journal of Physical Chemistry. 100-43. 17249-17254 (1996)
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[Publications] 甲斐原 梢: "Elastin Peptide Coacervate as a Model of Extracellular Elastomeric Matrix:Ionic Transport Studyr" Peptide Chemistry 1996、印刷中. (1997)
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[Publications] 甲斐原 梢: "Data Book on Mechanical Properties of LIving Cells,Tissues,and Organs" Editor:K.Hayashi,Springer-Verlag, 431 (1996)