1995 Fiscal Year Annual Research Report
単分散磁性微粒子の製造とその磁気的物性に関する研究
Project/Area Number |
07640776
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
尾崎 正孝 横浜市立大学, 理学部, 教授 (00046096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 正孝 横浜市立大学, 理学部, 教授 (00046096)
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Keywords | 磁性粒子 / 酸化鉄 / 抗磁力 / ヘマタイト / 分散系 / ゼータ電位 |
Research Abstract |
微量のリン酸イオンの存在の下で製造した単分散性に優れたスピンドル状ヘマタイト微粒子から製造したγ酸化鉄の抗磁力を5000eまで高めることができた。しかし,ヘマタイト粒子の結晶性を高め,γ-酸化鉄の磁気的性質を更に改善する目的で800℃で粒子を焼成したところ粒子の部分的な分解が認められた。この原因として,粒子の内部に残留する微量の塩素イオンの影響が考えられたので,塩素イオンの無い条件下で単分散性に優れたヘマタイト微粒子を製造する方法の開発を試みた。 針状のヘマタイト粒子を水溶液中で製造する方法としては幾つかの方法が知られているが,塩酸酸性でリン酸イオン存在下で製造したヘマタイト微粒子から製造したγ-酸化鉄と比較検討するために,アルカリ性でクエン酸イオンの存在下で単分散性に優れたヘマタイト微粒子の製造を試みた。その結果,水酸化鉄ゲル製造時の温度がヘマタイト微粒子の形状,単分散性および再現性に著しく影響することがわかった。種々の温度でゲルを製造し微粒子の生成を試みた結果,45℃近辺が最適であることが分かった。現在のところこの方法でできる微粒子の大きさと軸比の範囲は限られているが,条件の最適下を行うことによってもっと広い範囲で単分散性に優れた針状ヘマタイト粒子を製造したい。更に,磁性微粒子の抗磁力と粒子径との離散的な変化を追及したい。 ヘマタイト微粒子分散系の沈降電位が磁場によって変化することが分かったので,さらにヘマタイト微粒子分散系の磁気的性質を明らかにするとともに,沈降電位の研究過程において,測定用のセル全体を回転することによって精度良く沈降電位を測定することができることが分かったのでこの回転法についても研究を進めたい。
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