1996 Fiscal Year Annual Research Report
単分散磁性微粒子の製造とその磁気的性質に関する研究
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07640776
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
尾崎 正孝 横浜市立大学, 理学部, 教授 (00046096)
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Keywords | 磁性微粒子 / 酸化鉄 / ヘマタイト / マグヘマタイト / 磁気的性質 / 抗磁力 / ヘマタイトコロイド / 沈降電位 |
Research Abstract |
単分散性に優れたスピンドル状及び棒状ヘマタイト微粒子を製造し精製後マグネタイトを経てγ-酸化鉄(マグヘマタイト)に転換し,その磁気的性質と粒子径及び軸比との関係について調べた。抗磁力は軸比3〜4.5のスピンドル状γ-酸化鉄粒子では,長軸4μmで最大を示した。スピンドル状粒子が塩酸で長軸方向のみ溶解されることを見いだし,溶解によって軸比を変化させたところ,軸比の減少とともにほぼ直線的に抗磁力の減少が見られた。酸性条件下で製造したスピンドル状ヘマタイト微粒子から製造したγ-酸化鉄粒子のの抗磁力はアルカリ条件下で製造したヘマタイト微粒子から製造したものより大きな値を示した。これは,棒状粒子に比べてスピンドル状粒子の方が磁気的に安定化するためと考えられる。当初目標としていたような磁区数の変化にともなう離散的な抗磁力の変化は見いだされてはいないが,粒子径とともに抗磁力が大きく変化することは観察された。さらに単分散性をの良い微粒子を多く製造し,軸比が同じで粒子径が異なる粒子の測定データを集積するとともに単一粒子の抗磁力を測定できる環境作りに努力したい。 ヘマタイト微粒子の精製過程においてヘマタイト微粒子分散系の沈降電位が磁場によって変化することを見いだし,沈降電位の磁場変化を詳しく調べた。その結果,磁場によってスピンドル状ヘマタイト微粒子が沈降方向に対して長軸を垂直するように配向するため液体との摩擦抵抗が増大し,沈降速度が減少し沈降電位が減少が観測されることがわかった。また,この沈降電位の変化はLangevin関数によって表されることが分かった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ozaki,J.Sanada : and A.Isobe: "Direct observation of loop-like agglomerates of spindle-type hematite particles due to weak magnetic interactions." Colloids and Surfaces A : Physicochem. Aspect. 109巻. 117-119 (1996)
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[Publications] 尾崎正孝: "ヘマタイト微粒子分散系の磁気的性質" 横浜市立大学論叢,自然科学系列. 47巻1号. 1-12 (1996)