1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度自動分離定量法としての液体クロマトグラフ-接触分析法
Project/Area Number |
07640802
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
堀 智孝 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (40108981)
|
Keywords | 液体クロマトグラフ / 接触分析法 / 自動分析法 |
Research Abstract |
液体クロマトグラフによるコバルト/マンガン/鉄の分離条件の検討 TSKgelIC-Cation-SW樹脂を用いるカチオンクロマトグラフ法によって、溶離液に3.6mMエチレンジアミン-10mMクエン酸混合溶液を使用することで鉄とコバルトの相互分離が可能であった。また、樹脂にShim-pack IC-C1を、溶離液に0.3M乳酸(pH3.4)を用いるならば鉄/コバルト/マンガンの3元素も相互に分離することができた。しかしながら、昨年度に確立した炭酸溶液を緩衡液に用いる過酸化水素/タイロン接触反応系に、上記の分離システムを接続すると液体クロマトグラフの溶離液が接触反応による定量を妨害するため、精度のよい測定は困難であった。現在、接触反応システムの緩衡溶液および液体クロマトグラフの溶離液の組成を変化させて、定量に妨害のない系の確立を目指している。 バナジウム(IV、V)の自動分離定量システムの自然水分析への応用 昨年度に確立した上記定量システムを、琵琶湖湖水および、蔵王温泉より流下する酸性の須川河川水の分析に応用した。いづれの試水にもバナジウムは、定量限界近くの濃度(10nM程度)しか含まれていなかった。また、酸化的な雰囲気にある琵琶湖表層水中にはバナジウム(IV)を検出することはできず、バナジウムは全て5価として存在していることも分かった。今後、システムの改良あるいは前濃縮法の併用によって感度の増大を試みる予定である。
|
Research Products
(1 results)