1995 Fiscal Year Annual Research Report
外部場により制御可能な電導性ポリマーコロイドの開発と分析化学への応用
Project/Area Number |
07640808
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
長岡 勉 山口大学, 工学部, 助教授 (00172510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 教授 (40035077)
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Keywords | イオン交換 / 電導性ポリマー / ポリアニリン / 抽出 |
Research Abstract |
最近機能性材料のインテリジェント化が提唱されている.これは状況に応じた処理を行うセンシング&フィードバック機能を有した材料のことであるが,分析化学的立場からもこのような材料の応用に興味が持たれる.ここで対象としたコロイドはポリアニリンなどの電導性ポリマーであり,電導性を有するため,溶液内ポテンシャルによってその性質を制御できるユニークな性質を持つ. この研究計画では,まずコロイドの外観,分散性を検討した.その結果,コロイド粒子の大きさは1μm程度であり,大きさの分布,分散性とも良好であた.通常の使用では1週間以上沈殿を認めることはできなかった.次に典型的な無機陰イオンの交換特性を検討した.その結果イオン排除が起こるまでは,イオンサイズが大きくなるほどコロイド内に取り込まれやすいことが分かった.これはコロイドの酸化還元挙動をvoltammetry的に解析することにより判明した. さらにコロイドは生成時に用いるドーパントイオンによりその細孔のサイズが決定されるので,その効果を過塩素酸イオンおよびベンゼンスルフォン酸イオンをドーパントとして検討した.その結果,予測どうり,大きなドーパントを用いたときの方が大きなイオンがコロイド内に取り込まれやすいことも判明した. このような結果を踏まえ,無機イオンよりも大きな有機スルフォン酸イオンについて検討した.ポリマーは酸化状態においてこれらイオンを定量的かつきわめて迅速に取り込むことができることが判明した.さらに取り込んだイオンは溶離液のpHを上げるか,還元することにより定量的に回収することができた.
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[Publications] T.Nagaoka: "Preparation of Soluble Polyaniline and Its Voltammetric Behavior for Ion Exchange" Anal.Sci.12. 119-122 (1996)
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[Publications] 中尾 秀信: "各種有機スルフォン酸イオンに対する電導性ポリマーコロイドのイオン交換特性" 分析化学. 45. 189-192 (1996)
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[Publications] T.Nagaoka: "Electric Field Applications in Chromatography,Industrial and Chemical Processes" ed.T.Tsuda,VCH Verlagsgesellschaft, 311 (1995)