1996 Fiscal Year Annual Research Report
電極への吸着を利用する天然水中の界面活性物質の高感度電気分析法の開発
Project/Area Number |
07640811
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
澤本 博道 高知大学, 教育学部, 教授 (70036656)
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Keywords | 吸着 / 水銀電極 / 界面活性剤 / 天然水の分析 / 微分容量 / ニトリル類 / ピリジン / フローインジェクション分析法 |
Research Abstract |
平成7年度の装置の改良および基礎検討の結果をうけて、界面活性剤(陰イオン:ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エ-ロゾルOT、陽イオン:塩化セチルピリジウム、ハイアミン1622,テトラブチルアンモニウムブロマイド、非イオン:トリトンX-100、トリオクチルホスフィンオキシド)の他に代表的な界面活性物質(ニトリル類、ピリジン、キノリン)を加えて、微分容量一時間曲線測定により、水銀電極への吸着一脱着現象を検討した。その結果陰イオン界面活性剤は、正電位では可逆吸着、零電荷電位近傍では不可逆、より負電位では可逆になることが明らかになった。また陽イオン界面活性剤は吸着の可逆性が高く、非イオン性界面活性剤は不可逆吸着が多いことが明かになった。ニトリル類、ピリジン、キノリンの吸着挙動についても、多くの新しい事実および考察を加えることができた。以上の基礎検討の結果を踏まえて、界面活性物質の分析方法を確立した。基準物質にはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを選んだ。 四万十川に23ヶ所、仁淀川に21ヶ所、吉野川に11ヶ所の調査定点を設け、界面活性剤を定量し、他のデータ(pH、電導度、重金属(Cu、Pb、Cd、Ni))とも比較して、その実態を調査した。その結果前回調査した値とあまり変化がなかったので、調査した範囲では特に問題はないと考えられる。本法は合成界面活性剤以外にも、天然に依存するフミン酸などの有機物も測定されるので、上流でも少し高い値を示すところがある。逆に河口での小さい値は、海水による希薄化のためであると考えられる.フローインジェクション法は短時間に多試料の測定ができるので、充分実用に耐えられる方法を確立することができた。
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[Publications] 澤本博道: "ニトリル類の水銀電極への吸着一脱着挙動" 日本化学会誌. 1996・11. 958-962 (1996)
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[Publications] 澤本博道: "ピリジンの水銀電極への吸着一脱着挙動" 日本化学会誌. 1997・4. 294-296 (1997)
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[Publications] 澤本博道: "フローインジェクション法を用いる微分容量一時間曲線測定による界面活性剤の水銀電極への吸着一脱着挙動の基礎的研究および界面活性剤の定量" 高知大学教育学部研究報告,第3部. 54. (1997)
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[Publications] 澤本博道: "四万十川・仁淀川・吉野川の水異質に関する研究" 高知大学教育学部研究報告,第3部. 54. (1997)