1996 Fiscal Year Annual Research Report
ゾーンメルテング法によるカテコール及びその誘導体の精製と接触分析への応用
Project/Area Number |
07640816
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Research Institution | SCIENCE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
渡辺 邦洋 東京理科大学, 理工学部, 教授 (40084470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板垣 昌幸 東京理科大学, 理工学部, 助手 (90266908)
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Keywords | 接触分析 / マンガン / カテコール / ジヒドロキシナフタレン / 蛍光検出 / キノキサリン / スチルバゾ |
Research Abstract |
カテコールおよびその誘導体は過酸化水素により酸化されるが,超微量のマンガン(Mn)が共存するとその反応は著しく加速される.この現象を利用するMnの接触分析法を開発し,飲料水中のMn定量に応用した.検出はカテコールの酸化物とエチレンジアミン(en)をカップリングさせ,生成したキノキサン誘導体の発蛍光性を利用し,蛍光検出法によりなされた.enはカップリング成分としての役割以外にアクチベータとしても作用し,更にマスキング剤としても有効であった.このenの効果により,本研究は検出限界3ppt,定量下限10ppt,妨害イオンがほとんどないという高感度,高選択性の優れた定量法を開発することができた.またカデコール誘導体であるジヒドロキシナフタレン(DHN)によるMn定量では分解速度を利用する方法で吸光光度法による定量を試みた.この方法でも吸光法ながら検出限界8pptである高感度分析法が確立できた.このようにカテコールとその誘導体を利用する分析法は高感度であるが,その反応機構については不明な点が多かった.そこでカテコール誘導体からキノキサリン誘導体に変化する反応機能について検討した.従来カテコールは酸化されオルトベンゾキノンが生成するとされているが,それ以前にカテコール-Mn-en-過酸化水素の4元錯体が中間体として生成し,その後キノキサリン誘導体に変化することが明らかにされた.この反応の途中ではヒドロキシルラジカルが生成する.従ってこのラジカルを利用し,アゾ化合物の分解反応を検討した.使用した試薬はアゾ基とカテコール基を有するスチルバゾである.このスチルバゾの分解反応を利用する方法によっても高感度マンガンの定量法が確立できた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 渡辺邦洋: "エチレジアミンと2,3-ジヒドロキシナフタレンを指示反応試薬とするMn(II)の接触分析" 分析化学. 44. 933-938 (1995)
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[Publications] K.Watanabe: "Kinetic determination of trace manganece (II) using its catalytic effect on the oxidation b 2,3-dihydroxy naphtalene" Journal of trace and Microproke Techniques. 15(印刷中). (1997)
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[Publications] 鈴木昭彦: "エチレンジアミン共存下でのスチルバゾによるMn(II)の高選択性接触分析" 分析化学. 46(印刷中). (1997)