1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640823
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Research Institution | TOKAI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
権藤 洋一 東海大学, 総合医学研究所, 助教授 (40225678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 靖史 東海大学, 総合医学研究所, 助手 (70287100)
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Keywords | 相同組換え / 体細胞 / ジーンコンバージョン / マウス / 培養細胞系 / 遺伝子修復 / 分子遺伝学 |
Research Abstract |
本研究ではマウス体細胞における特定遺伝子座近傍の相同組換えを鋭敏に検出し、その領域を分子レベルで解析する系を確立することを第一の目的としている。最終年度として平成8年度では、特定遺伝子座における組換えを検出するためのマーカーとして新たにEco-gpt遺伝子の有効性を検討し、実際にこれまで利用してきたHSV-tk遺伝しよりも多くの点において優れていることがわかった(Ito,Gondo et al.,in preparation)。まず、HSV-tk遺伝子をマーカーとした場合、GANC選択を用いて、両アリルが野生型に復帰した組換え修復体を検出するわけであるが、親株であるヘテロ接合体がGANC感受性であるにも関わらず残骸をプレート上に残すため、鋭敏に耐性株を単離する場合、労力と正確性に難点をもたらしていた。Eco-gptをマーカーとした場合、同様にヘテロ接合体である6-tg感受性株を、組換え修復によって耐性株となったホモ接合体を6-tgを用いて単離するわけであるが、この場合はHSV-tkとGANCの系に見られた感受性株の残骸が残らず、短時間で多くの耐性株を正確かつ効率良く得ることができた。今年度は、このEco-gptを利用するために必要であった6-tg耐性となったES細胞株CCHの樹立、CCH株のp53遺伝子座へのneo-gptカセットの導入に成功した。また、二段階の相同組換えを用いて実際にp53遺伝子座を点突然変異および欠失突然変異に置換することにも成功し、得られたすべてのES細胞のアリルを、キメラマウスの生殖細胞を通してマウス個体に伝えることにも成功した。この成果に基づき、今後、片方のアリルにはEco-gptもう片方にはHSV-tkを導入した細胞を構築し、それぞれ6-tg、GANC選択で、gptからtkへ、また、tkからgptへと両方向への相同組換えによる遺伝子修復を解析できる可能性を開いた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Kitamoto,Y.Gondo,et al.: "Humanized prion protein knock-in by Creinduced site-specific recombination in the mouse." Biochem.Biophys.Res.Commun.222. 742-747 (1996)
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[Publications] H.Shibata,Y.Gondo,et al.: "Inactive allele-specific methylation and chromatin structure of the imprinted gene U2af1-rs1 on mouse chromosome 11." Genomics. 35. 248-252 (1996)
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[Publications] T.Norimura,Y.Gondo,et al.: "P53-dependent apoptosis suppresses radiation-induced teratogenesis." Nature Medicine. 2. 577-580 (1996)
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[Publications] Y.Gondo,Y.Shioyama,et al.: "A novel positive detection system of in vivo mutations in rPSL (strA) transgenic mice." Mutation Res.360. 1-14 (1996)
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[Publications] 権藤洋一、勝木元也: "遺伝毒性検定のためのトランスジェニックマウス." 組織培養. 22(13). 522-525 (1996)
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[Publications] 権藤洋一: "発がんリスク検定のためのトランスジェニックマウス." Pharma Sandoz. 3(21). 22-23 (1996)
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[Publications] 権藤洋一、勝木元也: "11.4DNA変異を検出する方法." 講談社サイエンティフィク, 11 (1995)