1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640838
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
粕谷 英一 新潟大学, 教育学部, 助教授 (00161050)
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Keywords | 比較法 / 種間比較 / 統計的推論 / 種内変異 / 種間変異 |
Research Abstract |
1.種間比較の統計的推論に与える種内変異の効果について、系統的影響を排除するため同時分岐のほうき状の系統樹を用い、種ごとの母集団平均形質値の進化はブラウン運動を仮定して、検討した。種内・種間の変異の量やその分布を変えた個々の条件について10000回のシミュレーションにより、末端種の2つの形質の標本平均の相関係数について、平均、分散、通常の相関係数の検定を行なったときの第1種の過誤の率などを調べた。その結果、末端種の種内変異の量の2形質間での相関が、標本平均の相関係数の分散および第1種の過誤の率に影響を与える事がわかった。正の相関は標本平均の相関係数の分散と第1種の過誤の率を増加させ、負の相関は相関係数の分散と第1種の過誤の率を減少させる効果があった。 2.種ごとの標本数(調査個体数)の変異について、種内変異の効果と同様のシミュレーションによる解析を行なった。個体数の変異は、種内変異に形質間で正の相関がある場合と定性的にはまったく同じ効果をもつことがわかった。つまり、標本平均の相関係数の分散および第1種の過誤の率を増加させる効果があった。 3.以上の結果から、種内変異のばらつきと調査個体数の変異が種間比較における統計的推論に影響を与えることがわかった。次年度(本研究の継続の2年目)は、もっとも有望と思われる種内の変異と調査個体数に適切な重みをかけて補正する方法の妥当性を確認することが重要である。
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