1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝生化学的手法による紅色細菌の光合成電子伝達系と窒素固定系を連結する因子の解明
Project/Area Number |
07640862
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐伯 和彦 大阪大学, 理学部, 講師 (40201511)
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Keywords | 紅色非硫黄細菌 / 窒素固定 / 膜蛋白質複合体 |
Research Abstract |
著書らは、光合成細菌Rhodobacter capsulatusにおいて、既知のnif遺伝子の相同性を示さないが窒素固定に必須な遺伝子群(rnfABC;rhodobacter nitrogen firation)を見いだしてきた。これらと相同性を示す遺伝子はこれまで知られていなかった。しかし平成7年度新たに、Vibrio alginolytiocusのNa^+輸送NADH-キノン酸化還元酵素のオペロン内にrnfAのホモログを、また、全ゲノムの塩基配列が決定されたHaemophilus influenzaeにrnfABCと極めて相同性の高いものを見出した。これらの細菌は窒素固定を行わないことから、rnf遺伝子群に新たな酸化還元酵素スーパーファミリーの一員である可能性がある。今年度は、1)RnfAについて大腸菌アルカリ性フォスファターゼ(PhoA)との融合蛋白質を用いて、活性測定とウエスタン解析によって膜内在性の蛋白質であることを検証し、配向性を決定した。RnfBとRnfCについては大腸菌で発現させた産物に対する抗体を作製した。これを用いて細胞分画を行った試料のウエスタン解析の結果、RnfB,RnfCも膜蛋白質であることを検証した。2)遺伝子破壊株、及び相補株中のRnfB,RnfC蛋白質含量を調べることにより、rnfABCのうちいずれか1つの遺伝子が破壊された株では、残りのrnf遺伝子産物の含量が減少することを見出した。これらの事実からrnf遺伝子産物が相互作用すること、少なくともRnfBとRnfCについては複合体を形成していると考えられた。3)今後のrnf遺伝子群産物の単離・精製への手掛かりを得るために分子標識付加を行った。各種の改変体が生理活性を持ち得るかどうかの解析を行ったところ、RnfBのC末端に(His)_6を付加した産物が確かにin vivoで生理活性を保つことを検証した。
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