1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07640867
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
森安 裕二 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (20200454)
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Keywords | 自食作用 / 液胞 / リソソーム / プロテアーゼ / 自己分解 / タバコ / 培養細胞 |
Research Abstract |
本年度の研究では,これまでに見つけたリソソーム様オルガネラの性質を,いくつかの抗体を用いた蛍光抗体法により調べた。その結果,このオルガネラは,酸性ホスファターゼ抗体で強く染色されることがわかった。一方で,液胞膜に存在することがわかっているH+-ATPaseやH+-pyrophosphataseに対する抗体を用いた染色では,明確な結果は得られなかった。これは,用いた抗体のタバコ抗原に対する反応性が弱いことに原因していると考えられた。 そこで,高い交差反応が期待できるオオムギを材料に用い,根端付近の細胞において,リソソーム様オルガネラの蓄積を誘導し,それらの細胞を,蛍光抗体法により観察した。オオムギ根端細胞には,貯蔵タンパク質を含むprotein storage vacuole と,加水分解酵素を含むlytic vacuoleの2種類のvacuolesが存在することがわかっている。lytic vacuolesは,aleurain(システインプロテアーゼ)や,gamma-TIP(膜タンパク質)を持ち,それらに対する抗体で特異的に染色される。それに対して,リソソーム様オルガネラは,これらの抗体では染色されなかった。また,protein storage vacuoleを染色するalpha-TIP抗体は,蓄積したリソソーム様オルガネラの周辺部のみを染色した。すなわち,リソソーム様オルガネラは,lytic vacuolesやprotein storage vacuoleとは異なる構造体であると結論した。
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