1997 Fiscal Year Annual Research Report
植物小分子GTP結合蛋白質遺伝子:二酸化硫黄と二酸化窒素による誘発
Project/Area Number |
07640875
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Research Institution | Biotechnology Institute, Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
ユ-セフィアン ショハブ 秋田県立農業短期大学, 附属生物工学研究所, 助教授 (00210576)
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Keywords | 小麦 / 小分子G-蛋白 / Wgp / 酸素ストレス / 二酸化硫黄 / 二酸化窒素 / パラコート / トランスジェニック植物 |
Research Abstract |
小麦のwgp7遺伝子は小分子GTP結合蛋白をコードしており、SO_2,NO_2,パラコート、寒冷、紫外線処理など、活性酸素により生じるストレスに応答してその転写レベルが上昇する。本研究の目的はこのようなストレス情報をwgp7がどのように伝達し、植物が活性酸素を解毒するかを突き止めることである。本年度は以下の様な結果を得た。1.Wgp7蛋白質の全長および可変領域のカルボキシル末端を用いて抗体を作成した。2.交差反応を調べたところ、抗体はWgp7蛋白質に特異的に反応した。3.wgp7遺伝子を持つトランスジェニックタバコはWgp7蛋白質を大量に生産していた。4.細胞内の局在を調べたところ、ミクロソーム分画に存在し、これは当蛋白が膜に結合していることを示唆している。5.活性酸素ストレスを小麦に与えたところ、転写の場合と同様、Wgp7蛋白レベルも急速に上昇した。6.上記5.に述べた条件でのWgp7蛋白の局在を免疫学的に調べている。7.トランスジェニックタバコのT_22、T_3世代を得、ノザン解析の結果、これらの植物体でも過剰発現していた。8.発現レベルに対応して形態変化を起こしたものがあり、ロゼッタ葉になったものもあった。9.トランスジェニックタバコは必ずしも活性酸素ストレスに対して抵抗性ではなかった。また、活性酸素を解毒するシステムにも影響はなかった。10.Wgp7蛋白や他の小分子GTP結合蛋白と相互作用する蛋白をコードする遺伝子の分離に着手した。具体的には、小分子GTP結合蛋白とラベルされたGTP存在下で相互作用する遺伝子を小麦の発規ライブラリーから検索し、そのようなcDNAを分離した。11.コードされる蛋白は特異性が高く、可逆的で、GDPが結合した状態でGTP結合蛋白と結合することが明らかとなった。12.当cDNAから欠失変異を作成し、その解析からアミノ末端198残基が結合には十分であることが判明した。
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