1996 Fiscal Year Annual Research Report
絨毛虫類にみられるヘモグロビン様タンパク質の構造と機能
Project/Area Number |
07640896
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
四釜 慶治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40004337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田嶋 玄一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00197360)
松岡 有樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30222293)
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Keywords | ヘモグロビン / ミオグロビン / 原生動物 / 絨毛虫類 / ゾウリムシ / テトラヒメナ / 自動酸化反応 / 分子進化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、原生動物の絨毛虫類にみられる「短縮型」のヘモグロビン様タンパク質が一体どのような分子構造をとり、どのゆおな生理機能を果たしているのかを、哺乳動物のHbやMbと対比させながら、分子進化的観点から解析することにある。そこで、テトラヒメナ(Tetrahymena pyriformis)を大量培養して、前年度に引きつづき次の実験を行った。 (1)原生動物ヘモグロビンの単離精製 まず細胞を破壊後、硫安分画、Sephedex G-50によるゲル濾過、およびCM-cellulose chromatographyなどを行って、ヘモグロビン様タンパク質を単離精製した。その結果、高純度のオキシ標品が常に安定した状態で得ることに成功した。 (2)酸素親和性と結合酸素の安定性についての 哺乳動物のミオグロビンと比べて、32残基の短い「短縮構造」を取っているテトラヒメナのヘモグロビンについて、まずその酸素親和性を求めた。酸素平衡曲線(OEC)の解析から得られたP50値は0.2 Torrであった。一方、結合した酸素の安定性を調べるために、オキシ型からメト型への自動酸化速度を広いpH領域(5〜13)に渡って測定した。得られたpH-profileを比較検討すると、酸性領域で顕著な速度増大が見られ、遠位(E7)ヒスチジン残基を介した「プロントン-リレー機構」が自動酸化反応の大部分を押し進めているものの、全体としては、哺乳動物のミオグロビンのそれと同程度の安定性を示していることは、驚くべき事であった。 (3)ヘム近傍の構造と遠位ヒスチジン残基の有無について 結合酸素の安定性に重要な役割を果たす遠位(E7)ヒスチジン残基が、原生動物のヘモグロビンにも存在していることが、Soret領域における分光学的測定からも明らかとなり、ヘモグロビンやミオグロビンの分子進化について極めて興味ある問題を提起した。 尚、これらの結果については、その一部をEurop. J. Protistol., 32 (1996), 73-78に発表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Shikama, K. et al.: "The unique structures of protozoan myoglobin and yeast hemoglobin : An evolutionary diversity." International Journal of Biochemistry and Cell Biology. 27. 1107-1115 (1995)
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[Publications] Sugawara, Y. et al.: "Role of globin moiety in the autoxidation reaction of oxymyoglobin : Effect of 8 M urea." Biophysical Journal. 69. 583-592 (1995)
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[Publications] 四釜慶治 他: "単細胞生物にみられるヘモグロビン様タンパク質-ゾウリムシのMbと酵母のHb-" 生物物理. 35. 13-18 (1995)
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[Publications] Korenaga, S. et al.: "A Myoglobin-like Protein from Tetrahymena pyriformis : Isolation and Characterization." Europ. J. Protistol.32. 73-78 (1996)
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[Publications] Matsuoka, A. et al.: "The Dimer-Monomer Conversion of Cerithidea Myoglobin Coupled with the Heme Iron Oxidation." Comp. Biochem. Physiol.115B. 483-492 (1996)
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[Publications] Tsuruga, M. et al.: "Biphasic nature in the autoxidation reaction of human oxyhemoglobin." Biochim. Biophys. Acta.(in press). (1996)
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[Publications] 四釜 慶治: "新タンパク質応用工学(分担執筆)" 下等生物にみられるヘモグロビン様タンパク質の構造と機能, 950 (1996)