1995 Fiscal Year Annual Research Report
隔離分布する蘚苔類種の集団内・集団間遺伝的多様性の推定に関する研究
Project/Area Number |
07640932
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 弘之 姫路工業大学, 自然環境・科学研究所, 助教授 (70211696)
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Keywords | アロザイム多型 / 遺伝的多様性 / ナンジャモンジャゴケ / オオミズゴケ / ウキゴケ / イチョウウキゴケ |
Research Abstract |
無性的に繁殖する蘚苔類4種(少数の地域に隔離的に分布する種としてナンジャモンジャゴケとウキゴケ、広く日本全土に分布する種としてイチョウウキゴケとオオミズゴケ)を対象として研究を行った。 1。ナンジャモンジャゴケ:本種はこれまでに国内7産地から知られている。今年度はそのうち4産地を調べ、うち2カ所で生育を確認することができ、集団サンプルを採取した。10酵素種15遺伝子座で有効なデータを得ることができ、その結果2集団間に遺伝的な分化を認めることはできなかった。一方、白馬集団内には、SKDH、ACN両遺伝子座において複数の対立遺伝子を検出することができたが、ザイモグラムの解像度が低いためこれを確定することができなかった。本種は国内では雌植物しか見つかっておらず、集団内に変異が見られることは非常に興味深い。この点に関して、異なる担体(アクリルアミド)を用いて再度検討する予定である。 2。オオミズゴケ:近畿・北陸地方の5集団について検討したが、集団間、集団内ともに全く変異を見いだすことができなかった。 3。ウキゴケ:近畿地方の14集団について検討したが、そのいずれにも集団内変異は見いだされなかった。一方、集団化には大きな変異があり、これは少なくとも3つの「型」が存在することに起因するものと考えられる。 4。イチョウウキゴケ:近畿・北陸の18集団について検討したが、集団内・集団間のいづれにも全く変異が見いだされなかった。 以上のことから、今年度はナンジャモンジャゴケの集団内変異、ウキゴケの集団間変異を由来を解明することが、中心の課題となる。
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