1995 Fiscal Year Annual Research Report
軸鞭毛遺伝子の解析によるボレリアの進化遺伝学的研究
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07640939
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
福長 将仁 福山大学, 薬学部, 教授 (20132483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 幸江 福山大学, 薬学部, 助手 (40236328)
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Keywords | ライフ病ボレリア / 回帰熱ボレリア / 鞭毛遺伝子 / クローニング / 塩基配列相同性 |
Research Abstract |
微生物の系統比較は通常リボソームRNA遺伝子の塩基配列によって行われる。しかしながらこの分子における塩基配列の保存の程度は極めて高く、近縁な微生物個体間の系統比較には不適当である。本研究においては、ライム病ボレリア、回帰熱ボレリアおよび未分類のボレリア約30の分離株の鞭毛遺伝子の塩基配列を決定して、データベースに登録されている配列とあわせてボレリアの系統分類を行った。その結果、ライム病ボレリアおよび関連ボレリアのそれぞれの種間の鞭毛遺伝子塩基配列においては約5%の隔たりがあり、これまで報告されているライム病ボレリア3種と関連ボレリア2種のほかに5つの独立したグループが存在し、それぞれ新種である可能性が示唆された。このうち3グループについてはすでにリボソームRNA遺伝子の塩基配列を調べて、それぞれ新種とすべきであることを確認した。また日本に主に分布しライム病の病原体となっているボレリアはBorrelia gariniiに分類すべきであるが、遺伝的に少し異なった変種であることも明らかにした(鞭毛遺伝子配列で1〜2%異なる)。また、われわれの研究の中から発見された、ライム病ボレリアの主たるベクターであるシュルツエマダニから分離されたにもかかわらず回帰熱ボレリア様の鞭毛遺伝子を有するボレリアは、種分類の規定に従って、DNA similarity、リボソームRNA塩基配列決定、ほかにいくつかの遺伝的および発現形質の比較を行って、新種であることが明らかになったので新種登録を行った(Borrelia miyamotoi)。このように、鞭毛遺伝子の塩基配列にもとづく微生物の系統比較は、近縁な生物の検討にとって極めて有用であることが明らかである。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 福長将仁: "ライム病とボレリア" 日本細菌学雑誌. 50. 519-524 (1995)
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[Publications] M. Fukunaga & A. Hamase: "Outer surface potein C gene sequence analysis of Borrelis burgdorferi sensu lato isolates from Japan" Journal of Clinical Microbiology. 33. 2415-2420 (1995)
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[Publications] M. Fukunaga, Y. Takahashi et al.: "Genetic and phnotypic analysis of Borrelia miyamotoi sp. nov., isolated from the ixodid tick Ixodes persulcatus, the ......." International Journal of Systematic Bacteriology. 45. 804-810 (1995)
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[Publications] M. Fukunaga & Y. Koreki: "The flagellin gene of Borrelia miyamotoi sp. nov., and its phylogenetic relationship among Borrelia species" FEMS Microbiology Letters. 134. 255-258 (1995)
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[Publications] M. Fukunaga & Y. Koreki: "A Phylogenetic analysis of Borrelia brugdorferi sensu lato isolates associated with Lyme disease in Japan by flagellin.." International Journal of Systematic Bacteriology. 46(in press). (1996)