1996 Fiscal Year Annual Research Report
北海道・樺太の人類史-オホーツク文化人ならびにアイヌの形成過程と相互交流-
Project/Area Number |
07640954
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
石田 肇 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70145225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 修 東北大学, 医学部, 助手 (40244347)
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Keywords | 頭蓋 / 形質人類学 / オホーツク文化 / アイヌ / 北方モンゴロイド |
Research Abstract |
1.北海道大学文学部保管の稚内市オンコロマナイ遺跡ならびに大岬遺跡出土人骨の調査を行なった。 2.断片的な資料ながらも,サハリンの南部,北海道のオホーツク海岸,千島列島に,一つのまとまった群としてオホーツク文化を担った集団が存在したらしいことがわかってきた。 3.頭蓋形態小変異22項目の頻度から四分相関係数を用いて生物学的距離を推定してみた。距離では,オホーツク文化人骨から近い集団として,サハリンアイヌ,バイカル新石器時代人骨,アムール手段を挙げることができる。国立遺伝学研究所の斎藤成也氏の開発した近隣結合法で集団間の関係をみると,オホーツク文化人骨はアムール集団を中心としてバイカル新石器時代人を含むシベリア集団とアイヌの間に位置することがわかった。 4.アイヌについては、北海道の中で脊稜山脈を挟む地域間での変異が大きい。これはアイヌの生活についての民族学的データや、遺伝学的なデータに見られる川筋を単位とした地域変異とは違った様相を見せる。アイヌの起源を縄文人とすると、縄文時代から近世までのアイヌ成立過程における外来要素の影響が無視出来ないが、遺伝的、文化的な要素がどの程度頭骨の形態変異に影響したのかはこれからの課題である。
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[Publications] 石田 肇: "シベリアのモンゴロイド" 生物の科学 遺伝. 50. 22-27 (1996)
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[Publications] 石田 肇: "形質人類学からみたオホーツク文化の人々" 古代文化. 48. 63-69 (1996)
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[Publications] 石田 肇: "シベリアモンゴロイドとは" 学術新報. 170. 17-24 (1996)
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[Publications] Ishida,H.: "Metric and nonmetric cranial variation of the prehistoric Okhotsk peple." Antheropological Science. 104. 233-258 (1996)
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[Publications] Ishida,H.: "Craniometric variation of the Nevtheast Asian populations." Homo. 47. (in press) (1997)
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[Publications] 近藤 修: "縄文人とアイヌの地域性・日本人の成立過程についての一考察-" 生物の科学 遺伝. 50. 28-33 (1996)
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[Publications] Ishida,H.: "Cranial morphology of the Siberians and east Asians" Prehistoric Monguloid Dispersals (Oxford University Press), 389 (1996)