1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07650015
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤居 義和 神戸大学, 工学部, 助教授 (80238534)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 虔太郎 神戸大学, 工学部, 教授 (60031085)
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Keywords | 超高真空 / 表面 / X線 / 結晶 / 結晶成長 / 微小角入射X線散乱 / 表面ステップ / 表面荒さ |
Research Abstract |
昨年度は、光源に回転対陰極形の強力X線源を使った「超高真空表面X線回折装置」に高温試料ホルダー、膜厚計、蒸着ポートが装着され、この装置を使った小角X線散乱による成長表面の研究の予備的実験が終了した。平成8年度は、本研究計画通り、この予備実験の基礎データをもとに小角X線散乱による成長表面の研究を進めた。 超高真空表面X線回折装置を使い、X線微小角散乱による、PbSe(111)エピタキシャル成長表面のその場観察を行なった。銅回転対陰極X線源からのCu-Kα_1X線をモノクロメータ及びスリットによって単色化し良くコリメートした後、Be窓を通して超高真空中のエピタキシャル成長中のPbSe(111)表面に0.075°の微小角で入射させ、鏡面反射X線強度をその場観測した結果、PbSe(111)表面のLayer-by-layer成長に伴う散乱X線の強度振動が観測され、本装置のような回転対陰極X線源を使ったコンパクトな装置でも、微小角X線散乱によるエピタキシャル成長中の結晶表面のステップ密度変化の情報が得られることが分かった。この観測が出来たことは、今後、微小角X線散乱をRHEEDのように結晶成長表面のモニターとして普及させるきっかけとなると考えられる。 しかし、観測されたX線強度振動の振幅は小さく、統計誤差やシステムノイズに埋もれておりコンピュータでデータの平均化処理を行って始めて見える程度の大きさであった。回転対陰極X線源からの限られた強度のX線を使った場合、ある一つの角度の散乱X線の強度測定だけでは、X線強度信号の大きさはモニターとして利用するには不十分であることが分かった。そこで、今後、上記の研究成果に基づき、新しく散乱X線強度の二次元角度分布をその場で観察することにより散乱X線強度分布の中に含まれる結晶表面からの情報信号と誤差を分離して、表面の構造変化に最も敏感な量を見いだす研究を進める予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Fujii: "A compact UHV X-ray diffractometer for surface glancing scatterings using a rotating-anode source" Review of Scientific Instruments. (in press). (1997)
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[Publications] 吉田虔太郎: "超高真空表面X線回折装置の設計と製作" ひょうご科学技術創造協会第一回共同研究成果報告書「金属合金・セラミックス等工業材料の表面・界面X線回折構造解析の研究」. 1. 1-10 (1996)
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[Publications] Y.Fujii: "Roughness Estimation of Polycrystal Metal Surfaces under the Ultra High Vacuum by X-ray Glancing Scattering" Program and Abstracts of IUCr XVII Congress.1. PS12.01.18 (1996)
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[Publications] 藤居義和: "高速イオン線・X線による結晶成長表面の新しい評価法" 神戸大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリ-年報. 1. 61-65 (1996)
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[Publications] K.Nakajima: "A RHEED study of temperature dependence of homoepitaxy of SnTe (111)" Journal of Crystal Growth. 158. 505-508 (1996)
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[Publications] K.Kimura: "Monolayer resolution in Rutherford backscattering spectroscopy" Nuclear Instruments and Methods in Physics Reseach Section B. 99. 472-475 (1995)
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[Publications] K.Narumi: "Charge-state dependence of energy losses of 3.2 MeV Li ions specularly reflected from the surface of a single crystal" Nuclear Instruments and Methods in Physics Reseach Section B. 100. 1-9 (1995)